「バトルするぞ」と寝技…傷害罪で起訴の元中学教諭 懲役2年求刑
朝日新聞デジタル 2021/1/22(金) 12:00配信
兵庫県宝塚市の中学校で昨年9月、「アイスキャンディーを無断で食べた」として柔道部顧問の男が1年生の部員2人に柔道技をかけ、重軽傷を負わせたとされる事件の初公判が21日、神戸地裁であった。指導をかたった一方的な暴力だったことが明らかになった。
宝塚市立長尾中学校の柔道部顧問だった元教諭、上野宝博(たかひろ)被告(50)=懲戒免職。起訴内容を認め、検察側は懲役2年を求刑した。
昨年9月、同校の武道場で、1年生の男子部員に足払いをかけて床に打ち付けるなどして背骨を圧迫骨折させたほか、別の1年の男子部員にも寝技をかけて足などに軽傷を負わせたとして、傷害罪で起訴された。
初公判での検察側の冒頭陳述や被害部員2人らの調書などから、執拗(しつよう)な暴行が浮かんだ。
上野被告は事件前日の部活を終えた後、武道場の冷凍庫のアイスキャンディーが足りないことに気づき、翌日に部員たちから聞き取りをした。
1年生部員が無断で食べたと認めると、上野被告は胸ぐらをつかんで「バトルするぞ」。立ち技や寝技を繰り返し、部員が気絶してもほおをたたいて起こし、技をかけ続けた。部員は3回謝ったが許してもらえず、裸足で武道場を出て、そのまま帰宅したという。
この光景を見て、もう1人の1年生部員も名乗り出た。自分も柔道技をかけられるのが怖くなり、抵抗したが威圧された。その後、眼鏡を外して寝転ぶように言われ、寝技をかけられた。
副顧問もその場にいたが、「(上野被告は)今までで最も怒っていた。寝技も高度で危険性が高かった」と話したという。副顧問も暴力を止めることはできなかった。
被害者の部員2人は入部間もなく、柔道はそれまで未経験だった。背中を骨折した部員は今も座り続けることができず、もう1人も首の痛みが引かないという。検察側は「教師でありながら怒りを制御することなく一方的にぶつけた」と指摘した。
兵庫県宝塚市の中学校で、柔道部員の1年男子2人に柔道技をかけて背骨を折るなどの重軽傷を負わせた傷害容疑で顧問教諭の上野宝博容疑者(50)が兵庫県警宝塚署に逮捕されたことを受け、競技を統括する全日本柔道連盟も調査に乗り出し処分を検討することが19日、明らかになった。全柔連の中里壮也専務理事がオンラインで取材に応じ、「なるべく早く調査に取りかかる」と話した。
上野容疑者は9月25日、校内の冷凍庫で保管していたアイスキャンディーを部員の生徒2人が無断で食べたとして立腹。他の柔道部員の目前で柔道の投げ技や寝技を連発して負傷させた。生徒の1人は絞め技で失神した後も平手打ちで無理やりに起こされ技をかけられ続けたといい、胸椎骨折で全治3カ月の重傷。もう1人は首を打撲する軽傷を負った。
全柔連は指導における体罰や暴力行為を禁じており、違反した場合は指導者登録停止などの処分を科す可能性がある。
今回の件についても、コンプライアンス委員会を中心に調査委員会を立ち上げ、聞き取り調査などを行う見込みだ。中里専務理事は「加害者の人権もあるので(処分決定まではヒアリングなどの)手順を追わないといけない。ただ、加害者は今(警察に)身柄を拘束されているので直接面会できるか。制約がある中でいろいろ調べていく」と話した。