高知県内の中学8割で免許外指導 美術など 土佐町が改善要望へ

高知県内の中学8割で免許外指導 美術など 土佐町が改善要望へ
毎日新聞 2021/3/8(月) 16:31配信

 中学校で「美術」教科の免許を持たない教員の指導が常態化しているとして、高知県土佐町議会は県と県教委に対し、「免許外教科担任」の解消を求める意見書を3月にも提出する。意見書は、9日開かれる3月町議会本会議で採択される見通し。「免許外指導」は県内の約8割の公立中で行われている実態があるといい、土佐町から問題提起することで、他の自治体にも呼びかけていく狙いだ。【北村栞】

 ◇1年限りの「例外」のはずが

 中学校で指導するには原則、教科ごとの免許が必要となる。だが文部科学省は例外的に、都道府県に申請すれば免許を持たない教科を指導できる「免許外指導」を1年限りで認めている。県教委によると、県内では今年度、公立・国立中学校計108校のうち計81校で美術▽技術▽家庭▽保健体育――の4科目いずれかの免許外指導が行われているという。

 こういった現状を背景に、土佐町議会では総務教育厚生常任委員会で今回の意見書が取りまとめられた。委員会によると現在、嶺北地域4町村の公立中学校には美術の免許を持った専科教員が1人しかいない。また、昨年12月の町議会での吉村雅愛・町教育長の答弁によると、町内の中学校における美術の免許外指導は少なくとも2013年から続いているという。吉村教育長は取材に対し、「専科教員がいないことは子どもが等しく教育を受ける権利からして、放置していい問題ではない」と話し、今後、近隣3町村とも連携を取って県に改善策を要望していく考えを明らかにした。

 県教組によると、県が定める教員の配置基準では1学年1クラスの小規模校には校長を含め8人しか教員を配置できない。教員数が中学で学ぶ科目数より少ないことから、意見書は免許外指導を県内の教育における「構造的な問題」と指摘。県や県教委に対し、免許外指導の解消に着手すること▽教員の配置基準を是正すること▽免許外指導問題の現状把握と要因分析――の3点を求める。

 町議会常任委で委員長を務める鈴木大裕町議は「免許外の教科指導は子どもの学習権に関わる問題。高知県だけの問題ではないので、県には『高知からのろしを上げる』という気持ちで向き合ってほしい」と話している。

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