元小学校教諭の複数女児わいせつ 千葉市に550万円支払い命令 裁判長「卑劣極まる」
千葉日報オンライン 2021/3/23(火) 18:12配信
教え子だった複数の女児にわいせつな行為をしたなどとして、千葉市立小学校の元教諭の男(37)に実刑判決が言い渡された事件で、被害児童の1人が両親と共に市を相手取り、慰謝料など990万円を求めた国家賠償請求訴訟の判決が22日、千葉地裁であり、本田晃裁判長は市に550万円の支払いを命じた。
訴状などによると、被害児童は2018年7月、小学校で当時の担任教諭だった男に別の教室に連れ出され、わいせつな行為を受けた。男が授業中に担任教諭の立場を悪用した点などから、心身の被害について市に賠償責任があると主張していた。
判決で本田裁判長は、犯行が「卑劣極まる悪質なもの」で、児童が男に似た人を怖がるようになり、その後もカウンセリングが続くなど「恐怖や不安、社会生活上の支障の程度は極めて大きい」と判断。慰謝料は500万円が相当とし、弁護士費用の損害額として50万円を加えた。
判決を受け、市教委の磯野和美教育長は「児童と保護者に心から深くおわびする。今回の事件を厳粛に受け止め、再発防止策を講じるとともに職員の意識改革に全力を傾け、市民の信頼回復に努める」とのコメントを出した。
判決によると、八木被告は2013年1月から18年7月までの約5年半、勤務していた2つの千葉市立の小学校の教室や倉庫で、当時6〜12歳の担任していた女子児童7人に対し、児童の陰部を触ったり、X被告の局部を咥えさせたりするなどのわいせつな行為に計15回及んだ。
(この前後は全て「X被告」の表記)
事件が発覚したのは2018年7月17日。夏休み直前だった。小学3年生の女子児童Aさんが、小学校から帰宅後、母親に被害を打ち明けた。この日、担任のX被告は、1時間目の授業を自習にした上で、クラスメートの中からAさんを1人、別の教室に呼び出した。そして、目隠しをさせ、腕をしばって抵抗できない状態にすると、Aさんの陰部を触ったり、Aさんの口に自分の陰茎を入れたりしたのだ。
母親の相談を受けた県警は捜査に乗りだし、8月1日、X被告を強制性交の疑いで逮捕した。県警はX被告の自宅の家宅捜索で、外付けハードディスクやデジタルカメラなどを押収。データを解析すると、犯行を録画したものが見つかった。映像に映る被害者はAさんだけではなかった。他にも被害者がいることが判明し、解析の結果、Aさん以外の6人が特定された。
被害者Bさんの母親は裁判の意見陳述でこう述べている。
「被告が逮捕されてからしばらく経って、刑事さんがうちまで来て、『事件のことを知っているか』と聞かれました。丁寧にすべての家庭に聞いて回っているのかと思ったら、『実は娘さんも被害に遭っているそうです』と言われました。娘は私に気を遣い、何も言わなかった。つらいです」
出廷したDさんは、繰り返し被害に遭っても周囲に相談できなかったのは「家族に心配をかけたくなかった」からという。「できれば死刑になってほしい。それが無理なら、できるだけ長く刑務所にいてください」。
X被告はおおむね起訴内容を認め、謝罪の言葉を述べはしたが、裁判では真摯な反省の態度を取っているとは到底思えない言動もあった。被告人質問で検察官が、押収された犯行の映像データが残るハードディスクやノートパソコンの所有権を放棄するかと問うと、返答に窮し、「弁護士の先生と相談させてください」と回答を留保する場面もあった。
「ひどいことをされてから5年がたちます。これまで親にも話せませんでした。家族でテレビを見ていたときに、テレビであなたが捕まったというニュースを見ました。思わず『ざまあみろ』と言ってしまいました。(中略)裁判になると聞いたとき、裁判には出なくてもいいと言われましたが、直接言いたいと思って勇気を出して参加しました。(中略)一生刑務所の中で暮らしてください」