“学ばない”無能な指導者が奪う、子どもたちの未来
現代ビジネス 林 壮一 2021.06.17
2012年12月23日、大阪市立桜宮高校バスケットボール部のキャプテンだった17歳の男子生徒が自ら命を絶った事件は、日本の高校運動部の在り方を巡って大きな波紋を呼んだ。少年は顧問から過剰な体罰を受け、追い詰められていた。私が本件を知った折、憤りを覚えながらも、日本のバスケットボール界でなら大いにあり得ることだと感じた。
高校生選手を自殺に追い込んだ顧問は、日本体育大学を卒業後、体育教師となった。少年が死を選んだ前日、この教師は練習試合中にコートに入ってキャプテンを追い掛け回し、20発もの平手打ちを浴びせている。
少年の自殺後、この体育教師は傷害と暴行で起訴されるが、初公判で検察から「口が血まみれになっても殴っていた」ことを指摘されている。また、まるで反省の色を見せないまま、生徒が亡くなった13日後に遺族に電話をかけ、指導現場への復帰を許してもらえるか? と尋ねている。