少女になりすましてわいせつ画像を販売…元校長の卑劣メッセージ

少女になりすましてわいせつ画像を販売…元校長の卑劣メッセージ
産経新聞 2021/10/2(土) 20:00配信

【SNSの罠】

《関西のJC(女子中学生)です》。SNS(会員制交流サイト)上でこんなメッセージとともに少女のわいせつ画像を販売していたのは、少女とは似ても似つかぬ男だった−。大阪府警が3月、児童買春・ポルノ禁止法違反などの容疑で、=堺市北区=を逮捕した事件。男は若い男を装って少女に近づき、わいせつ画像を入手すると今度は少女になりすまして販売したという。SNSを悪用し、変幻自在に正体を変えた男の卑劣な手口とは。

【グラフでみる】SNS関連の被害児童の数

■悩みに付け込み

ツイッター上に並ぶ《#裏アカ女子》《#裏アカJK》といったハッシュタグ。女子中高生が人には言えない投稿をする際につける目印だ。男は約2年前、これらを検索しながらターゲットを物色していたという。

高校受験を控え、進路の悩みを打ち明ける少女に、《相談に乗るよ》とメッセージを送った。アカウントのアイコンは若い男性の写真だ。やがて、2人は頻繁に連絡を取り合うようになった。

《おはよ。勉強頑張って》《希望の高校へ行けますように!》。男は優しい言葉を送り続けた。徐々に親密な関係になっていったところで、《会いたい》と好意をにおわせ、《裸の写真を送って》と要求した。

画像を入手した途端、男は別のアカウントを作成。今度はプロフィルを少女の名前に変更し、「#裏アカ女子」のハッシュタグを付けた上で、少女から聞き取った内容をツイートし始めた。

《ストレスたまりまくり》《常に金欠》。そのツイートに連絡を取ってきた複数の男に対し、ダイレクトメッセージでやりとりを開始。《関西のJCです。画像は転用しないでください》とメッセージを添え、画像を販売していた。

■10人以上に販売

男の犯行は府警のサイバーパトロールで発覚。府警は3月、同容疑などで男を逮捕し、大阪地検が7月に同罪などで起訴した。起訴状によると、昨年8月9日、埼玉県在住の50代の男性に対し、ツイッター上で少女らのわいせつ画像4点を5千円相当で販売したとしている。府警は少なくとも10人以上に画像を販売していたとみている。

「悩んでいる若者の相談に乗るのが好きだった」。府警の調べに男はこう供述したという。長年教壇に立ち、校長まで務めた経験が少女とのやりとりに生きたのかもしれない。だが、実際にとった行動は、教育者としてあるまじきものだった。

■続発する「自画撮り被害」

SNSで知り合った相手に求められるがまま、裸の写真などを送り、悪用されてしまう「自画撮り被害」は後を絶たない。

警察庁のまとめによると、昨年1年間にSNSをきっかけに犯罪に巻き込まれた18歳未満の子供は1819人。前年より263人減少したものの、平成25年(1293人)と比べると約1・5倍に増加している。このうち、自画撮り被害を含む児童ポルノの被害児童数は例年、全体の約3割を占める。

被害に遭った際に使用していたSNSは、ツイッターが全体の35・3%と最も多く、府警幹部は「児童が投稿した書き込みや動画に対し、容疑者がダイレクトメッセージを送るなどして知り合うケースが多い」と明かす。送った画像はインターネット上で拡散されたり、販売されたりする危険性をはらんでいるばかりか、画像を脅迫の材料にされ、誘拐事件につながるケースもある。

府警幹部は「ネット上で拡散されてしまったら全て回収するのは困難。裸でなくても顔だけの写真でも編集されて転売されるケースがある。ネットだけの人間関係を安易に信じ過ぎないでほしい」と呼び掛けている。(木下未希)

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「峰松容疑者は児童買春とわいせつ画像売買の2つの容疑で逮捕されましたが、事実と認めていました。まじめで実直な先生だったので、ほんまかと驚いた。学生と思われる女性と3度、会社員という女性と1度、関係を持ったと説明していた。2人ともツイッターで知り合ったとそうです。学生という女性には買春の対価として1回につき1万5千円から3万円を支払った。会社員は1回3万円で、記憶は鮮明だと語っていました」
「SNSで知り合った女性からもらったり、無料のわいせつサイトからダウンロードした画像を1枚500円くらいで50枚から60枚を売ったと認めていた。写真をSNSで売る時は『もも』という女子中学生になりすまして書き込んでいたそうです。(人気女子プロゴルファーの)三浦桃香選手の名前から拝借したと話していた。ファンかどうかはわかりません」(前出の担当者)

 SNS(会員制交流サイト)で知り合った女子高校生に現金を渡して児童買春したり、わいせつ画像を販売したりしたとして、大阪府警寝屋川署は30日、児童買春・ポルノ禁止法違反などの疑いで、兵庫県伊丹市の元小学校長で総合教育センター非常勤職員、峰松誠治容疑者(62)=同市千僧=を逮捕した。「18歳未満と思わなかった」と容疑の一部を否認しているという。
 逮捕容疑は、昨年9月中旬〜11月下旬の間、大阪市内のホテルで、SNSで知り合った府内の高校生(当時)が18歳未満と知りながら現金1万5千円を渡して児童買春したとしている。このほか、同年8月下旬、SNSで中学生を自称する相手から入手したわいせつ画像を、女性になりすまして3点5千円相当でインターネット上で販売したとしている。同署が画像販売を発見し、容疑者として浮上した。
 伊丹市によると、峰松容疑者は公立小学校で教諭、校長を務め一昨年3月に定年退職。市立幼稚園長を経て昨年4月から非常勤職員として総合教育センターで不登校の子供たちの指導を担当していた。今月12日に「事情聴取を受けている」と本人から報告があり自宅謹慎。30日に懲戒免職処分となった。市の担当者は「まじめで誠実と評判だったので驚いている。子供たちに迷惑をかけると反省していた」と話している。

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