日大、10月末に補助金の不交付・減額決定も

日大、10月末に補助金の不交付・減額決定も
産経新聞 2021/10/12(火) 19:02配信

東京地検特捜部に背任容疑で理事が逮捕された日本大には、日本私立学校振興・共済事業団から例年、90億円前後の補助金が交付されている。この補助金は、学校経営に関わる刑事事件で役員や教職員が逮捕・起訴された場合などは減額対象となる。今月末にも開かれる予定の同事業団の運営審議会では、今回の事件により日大への補助金不交付や減額などが決定される可能性が出てきた。

同事業団による補助金は、毎年度に12月と3月の2回、各私大に交付され、各私大の補助金額を決定する運営審議会も毎年度、交付に先立ち2回開かれている。同事業団は国庫補助金の交付を受けて、全国の私大に毎年度、計3千億円程度の補助金を分配。交付額は各大学の教職員の給与などに対応しているため、その大学の規模にほぼ合致する。国内有数の規模を誇る日大には令和2年度は約90億円が交付された。これは早稲田大(約92億円)に次ぐ2番目の額となる。

一方、補助金の交付要綱には、不交付や減額に関する規定が定められている。今回の日大の事件は、要綱のうち、財産を不正に使用した場合や、学校経営に関する刑事事件で役員や教職員が逮捕・起訴された場合に該当する可能性がある。

近年で不交付・減額となったケースとしては、医学部の不正入試問題がある。問題発覚を受け、同事業団は東京医科大の平成30年度の補助金について、医学部医学科の不正入試や役員の刑事処分などにより管理運営が不適正だったと判断、不交付とした。また、岩手医科大、北里大、順天堂大、昭和大、金沢医科大、福岡大は25%、日大・日大短期大学部は35%減額とされた。

今回の事件を受け、末松信介文部科学相は「学校法人は公的助成や税制上の優遇措置がとられているなど公共性が極めて高い。その学校法人の理事が逮捕されたことは極めて遺憾」と発言。文科省の担当者は、「事件の内容を受けて、運営審議会には審議していただくことになるだろう」としている。

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