わいせつ保育士の再登録を制限へ 厚労省、教員制度にならい厳格化案
福祉新聞 2021/11/18(木) 10:10配信
わいせつ行為により登録を取り消された保育士について、厚生労働省は11月4日の「地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会」で、再登録を厳格化する対応案を示した。取り消し後、2年たてば再登録できる仕組みを改める。期間を延長した上で更生状況などにより再登録を拒否できるようにする。厚労省は来年の通常国会に児童福祉法改正案の提出を目指す。
子どもへのわいせつ行為防止をめぐっては、「教員による児童生徒性暴力防止法」が今年5月に成立。わいせつ行為で懲戒免職を受けて教員免許を失っても3年たてば再取得できる仕組みを見直し、都道府県教育委員会の判断で免許の再交付を拒めるようにした。同法の付帯決議には保育士資格でも同様の仕組みを検討することが盛り込まれていた。
こうした動きを踏まえ、厚労省が示した登録制度の厳格化案は教員の仕組みに足並みをそろえる形になった。
厚労省案によると、刑の軽重を問わず一律2年となっている保育士の登録禁止期間を延長。教員と同様に禁錮以上の刑に処せられた場合は期限を設けず、それ以外の場合は3年とした。
わいせつ行為をした保育士については、刑に処せられなくても「わいせつ行為を行ったと認められる場合」は登録を取り消さなければならないとした。わいせつ行為で登録を取り消された人の再登録は、行為の悪質性や更生状況を踏まえ、拒めるようにした。
都道府県で設置する新たな審査会か、既存の都道府県児童福祉審議会で再登録の可否を審査し、その意見を基に都道府県が判断する仕組みを想定する。
また、わいせつ行為により取り消された人の情報が登録されたデータベースを整備するなど、保育所が事前把握できる仕組みを構築することも提示した。
検討会の意見交換では、森田信司構成員(信光園若江こども園施設長)は、後になってからわいせつ行為だったと気付くことを「時限爆弾」と表現し、「今以上の厳格化は必要だ」と述べた。坂崎隆浩構成員(清隆厚生会こども園ひがしどおり園長)は「被害者である子どものケアも併せて考えるべきではないか」と指摘。このほか、保育所で子どもの人権に関する定期的な研修の義務付けを求める意見も上がった。
厚労省によると、2003年から20年10月までの間、64人がわいせつ行為により保育士登録の取り消し処分を受けていた。再登録申請の件数(18年4月から20年10月末)は4件で、そのうち1件が児童へのわいせつ行為で登録を取り消された人からの申請だった。