旭川で女子中学生凍死…失踪から間もなく1年 「辛いのかも、もうわかりません…」残されたメッセージ

旭川で女子中学生凍死…失踪から間もなく1年 「辛いのかも、もうわかりません…」残されたメッセージ
HBCニュース 2022/2/10(木) 22:21配信

 旭川市で凍死した、中学2年の廣瀬爽彩さん。失踪してから、まもなく1年がたちます。
 2019年4月、中学校に入学してまもなく、爽彩さんに異変を感じ、いじめを疑った母親が学校に相談します。
 6月には川で自殺未遂。爽彩さんは学校に電話して「死にたい」と訴えたほか、性的な画像が拡散されていたことが明らかになります。しかし、学校は爽彩さんからの直接の聞き取りをしないまま、9月に「いじめと認知するまでには至らない」として調査を終えました。
 彼女の発していたSOSを救い上げることはできなかったのでしょうか。

 去年3月、旭川の公園で凍死した状態で見つかった当時中学2年の廣瀬爽彩さん。爽彩さんが、失踪してからまもなく1年。

 記者リポート
 「爽彩さんの遺体が見つかった場所です。御覧のように私の膝まで雪が積もっています。当時は、これ以上に雪が多かったということです」
 「遺体が見つかった公園には今も多くの花束が手向けられています」

 爽彩さんの母親
 「爽彩じゃないってずっと思っていました…それは今もずっと続いてます。逆にいつ受け止めることができるのかわからない」

 これは、おととし5月、爽彩さんがツイッターに匿名で投稿したメッセージです。

 爽彩さんの投稿
 「私は前の学校でいじめを受けていました。酷いものなのかも私には分かりません。辛いのかも、もう分かりません。でも私の中に深く残っていることは確かです」

 そこには、いじめに至る経緯や苦悩が詳しくに書かれています。

 爽彩さんの投稿
 「先輩たちと仲良くしようと私は頑張りました。でもどこからか変わっていくのに私は気が付きませんでした。いつの間にかコンビニに行く時は私が全部払う」

 爽彩さんは2019年、中学に入学してまもなく、夜中の公園などに複数の上級生らから呼び出されるようになりました。
 爽彩さんは上級生から性的な画像を要求され、さらにSNS上で拡散されたといいます。

 爽彩さんの投稿
 「写真や動画も要求されることもありました。途中から羞恥心なんてありませんでした。何が何だかわかりませんでした」

 北海道教育大学で、子どもの臨床心理や被害者支援を研究する佐藤由佳利教授です。爽彩さんが、典型的な被害者の心理に陥っていたと指摘します。

 北海道教育大学(学校臨床心理)・佐藤由佳利教授
 「とにかく相手の顔色をうかがって、相手に合わせていこうとしますので、そうすると自分の感情というのは二の次三の次になってきますよね。
で、自分の感情がどんどんわからなくなってきますよね。もうそういう状態になっていたんだなっていうふうに感じました」

 2019年6月、川に飛び込んで自殺未遂を図った爽彩さんは、別の中学に転校しますが、不登校となり自分を責めるようになります。

 爽彩さんの投稿
 「全て私のせいです。私が悪くて、私以外何も悪くない。先輩たちがいじめをしてきたのも、きっと私が悪いように思えます」

 「そんな私でも良いという人が1人でもいるなら、私はネットにいようと思います」投稿の最後、こう結んだ爽彩さん。

 当時、インターネット上で、ライブ配信番組やネットで知り合った友人へのメッセージでも、苦しい胸の内を明かしていました。

 北海道教育大学(学校臨床心理)・佐藤由佳利教授
 「自分を理解してくれる人、自分のことを良しとしてくれる人をずっと求めていたと思います。何か彼女を、がっちり捕まえてくれるというか、自分の今の窮状を救ってくれる人っていうのを、もっと違う存在を求めていたんだと思います」

 子どもの心に深い傷を残すいじめの被害。爽彩さんの問題を受け、旭川市は本格的な「いじめ対策」に乗り出しました。

 旭川市・今津寛介市長
 「いじめというのは、いじめられている方がいじめだと思えば、それはやっぱりいじめになると思います。一方で、どうして加害生徒と言われる人がいるのであれば、そういう状況を作り出してしまったのか、それは家庭の問題なのか学校の問題なのか、あるいは社会の問題なのか」

 旭川市の今津寛介市長は、去年12月、全国のいじめ対策先進地を訪問しました。

 岐阜市小学校のいじめ対策監
 「なんかあったの?けんかした?お兄ちゃんと」

 訪問先のひとつ、岐阜市では、市内の小中学校など71校に、いじめの「予防」と「早期発見・対応」を担う、「いじめ対策監」と呼ばれる教員を配置しています。
 また、滋賀県大津市や大阪府寝屋川市では、市長部局にいじめの専門部署を設置し、行政が積極的にいじめの現場に介入しています。

 旭川市・今津寛介市長
 「今回の旭川の事案については、学校まかせ、あるいは学校からの情報を教育委員会が受けていたために、いじめを発見することが出来ませんでした。学校現場だけではなくて、むしろ第三者的に、そして市長のところにもしっかりと情報が入って来るシステムづくりが必要だと思っています」

 一方、爽彩さんにいじめがあったかどうかを調べる第三者委員会は、調査開始から9か月が経った今も、結論を出せていません。

 旭川市・今津寛介市長
 「6月中までに、最終報告ができないという場合は、やはり速やかに並行調査も進めていかなくてはならないというふうに思っています」

 失踪するまで2年近くに渡って苦しみ続けた爽彩さん…届かなかった彼女の思いに向き合う日々は続きます。

2月10日(木)「今日ドキッ!」午後6時台

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