子どもに対する性犯罪 “加害者”が語る 「刺激になってやめられなくなった」 再犯防止と子供を守る対策とは
関西テレビ3/3(木) 21:55配信
後を絶たない子どもが被害者となる事件。
13歳未満の子どもへの性犯罪で、一番多いのが強制わいせつで、去年1間の認知件数は748件にのぼります。
1日に2人以上が被害に遭っていることになります。
この罪に問われた被告(当時)本人が、取材に応じました。
A被告は、児童施設に勤務していた時に、犯行に及びました。
■勤務先の児童に“わいせつ行為” 被告人の心理
【強制わいせつの罪に問われているA被告】
「仕事で一緒になった子どもと仲良くなるうちに、自宅に呼んだりした中で、きっかけがあってやってしまった。(距離が)近くなっていくうちに、いずれは(性的なことを)知ることだから、今でもおかしくないという考えのゆがみもあったと思います」
施設に通っていた児童を自宅に呼び出し、就寝中などに下半身を触るわいせつな行為をした疑いで逮捕されました。
【強制わいせつの罪に問われているA被告】
「『本人が嫌がってなかったら傷ついていない』という風に、嫌がることをしてないから大丈夫という風に考えを変えていきました。その時の衝動もありますし。一回成功してしまった…という癖みたいになって刺激になってやめられなくなっていったんだなと」
A被告は逮捕直後から、再犯防止のための「心理教育プログラム」を受けています。
プログラムを実施するのは、臨床心理士の中村大輔さん(38)。
これまで再犯防止のプログラムを100人以上に行ってきました。
【A被告】
「(被害者に対して)ただただ本当に申し訳ないと思うし取り返しのつかないことをしてしまったなと」
【臨床心理士 中村大輔さん】
「そうですよね。もう取り返しがつかないですよね。カウンセリングではないんですよ、ここでやっているのは。よく皆さん『カウンセリングを受けている』とか言いますけど、全然カウンセリングではないです、教育ですから。人は変わるんだと僕は思っていますが、どう思いますか?」
【A被告】
「変われるかな…と」
【臨床心理士 中村大輔さん】
「本人がそう言っても、周りは何も響かないですよね。『人は変わるんだ』って言っても。難しい領域なんですよ。でも僕は何人も見てきてますからね、変わってきている人を。絶対に(性犯罪を)やらなくなる人もいるんですよ。(プログラム)をやらないと、(何も)変わらないですよね」
心理テストなどの検査や週に1回の面談のほか、刑務所に入っている間も手紙のやり取りを行います。
【臨床心理士 中村大輔さん】
「再犯している人たちは孤立しているんですよ。社会全体は彼らが怖いですから、刑罰を与えて孤立させようとするところもありますし。関係性を作りながら再犯防止する仕組みは要るなと思いますね」
ことし1月、中村さんはA被告の裁判に証人として出廷するため、神戸地方裁判所を訪れました。
【臨床心理士 中村大輔さん】
「簡単に言うと動機の解明をするということ。心理テストの結果や彼の生い立ちを私なりに調査した結果を報告します。なぜ犯罪をやってしまったのか、自分で自覚できていないこともあるので、分かりやすく伝えて判決に導いていただく」
これまで、中村さんはいくつもの裁判で専門家として証言台に立ってきました。