新潟工高生徒いじめ自殺 新潟県側が謝罪し遺族と和解 解決金500万円
BSN新潟放送 2022/3/30(水) 16:02配信
いじめを苦にして自殺した新潟工業高校の生徒の遺族が、新潟県に対しておよそ6000万円の損害賠償を求めた裁判。学校が適切な対応を取らなかったことが自殺の原因と県教育委員会が認め、謝罪することなどで30日、新潟地裁で和解が成立しました。
訴えているのは当時、新潟工業高校の1年生だった男子生徒の遺族です。訴えによりますと、男子生徒は同級生から不愉快なあだ名で呼ばれるなどのいじめを受けて、2016年に自殺しました。
遺族側は「いじめ防止対策推進法に反した学校側の対応が自殺につながった」として、県に対しおよそ6000万円の損害賠償を求めていましたが、和解が成立しました。県教育委員会は、学校側がいじめ防止対策推進法に反し、相談に対して組織的な対応をしなかった点や、関係生徒からの聞き取りが不十分だったことなどが自殺の要因になったことを認め、謝罪。県は解決金として500万円を支払います。
【男子生徒の父親 佐々木正さん】
「(学校側は)『この子は大丈夫だろう』とか『今まで大丈夫だった』とか、完全にその人の思い込みだけで対応して息子は絶望した。それを繰り返させてはいけないと思う」
息子を亡くしてから、およそ5年4か月が経ちました。
【男子生徒の父親 佐々木正さん】
「遺族・被害者としては長すぎる。これだけの長い期間を一つのことで苦しまなければいけないのは、人間としてはつらい」
父親の佐々木正さんは「苦しい思いをする子どもや保護者、関係者をこれ以上出してほしくない」と改めて再発防止を訴えました。
和解の成立を受けて、新潟県は「引き続き全ての児童・生徒をいじめや自殺から徹底して守り通すため『いじめ対策の強化』に取り組み、再発防止に努める」とコメントしています。