学校での性暴力対応へ専門チーム 千葉市、県弁護士会と協定 加害教員からの聞き取り担う

学校での性暴力対応へ専門チーム 千葉市、県弁護士会と協定 加害教員からの聞き取り担う
千葉日報オンライン 2022/4/30(土) 19:14配信

 千葉市教委は、市立学校で児童・生徒を性暴力から守る取り組みとして、千葉県弁護士会と「危機対応チーム」の設置に関する協定を締結したと発表した。同チームは性暴力事案発生時、これまで学校側が行っていた加害教員らからの聞き取りを担う。学校側は被害児童の支援や他の児童への対応に集中するとし、役割分担を明確化した。市教委によると、性暴力に関して事前に外部の有識者と連携を図る取り決めを行うのは全国の政令市で初めて。

 市は、=懲戒免職=が教え子の女児にわいせつな行為をした事件を受け、精神科医や弁護士などでつくる「子どもへの性暴力防止対策検討会」(座長・後藤弘子千葉大大学院教授)を設置。同検討会から昨年6月に提出された提言に基づき、同協定を締結した。

 市教委教育職員課などによると、これまでは被害児童や加害教員からの聞き取りは全て学校側が担っていたが、学校側の負担も大きい上、加害教員らに厳正な対応をしているか疑念の声が上がることもあった。昨年からは、児童相談所が被害児童から聞き取りを行えるよう体制を整備していたが、一層の体制強化として、加害教員から聞き取りを行う同チームを設置する。

 同チームは、弁護士と市教委職員、県警OBの計3人で構成。学校で性暴力事案が発生した場合、加害教員をただちに児童から引き離し、同チームが聞き取りを行う。必要に応じて、目撃した他の教員からも聞き取りを行ったり、児相と連携して警察へ通報したりする。学校側は児童のケアや再発防止に注力する。協定は28日付。

 神谷俊一市長は定例記者会見で「事案があった場合にはすぐに対応できるよう、あらかじめ体制を整備した。児童と教員への対応を別々にすることで、児童への十分な支援と、教員へ厳正な対応を行っていく」と話した。

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