「退学ちらつかされた」飛び降り、障害残った男性側 神戸市側は否定 当時、六甲アイランド高校1年
神戸新聞NEXT 2022/8/30(火) 18:32配信
神戸市東灘区の市立六甲アイランド高校で2017年12月、当時1年の男子生徒が長時間の別室指導を受けた後に校舎から飛び降り、身体に障害が残る重傷を負った問題で、この元生徒の男性(20)が市に約6千万円の賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が30日、神戸地裁(高松宏之裁判長)であった。男性側は、教員が退学処分をちらつかせるなど、適正な範囲を逸脱する指導だったと主張。市側は退学を示唆する意図などを否定し、請求棄却を求めた。
訴状などによると、男性は当時、友人に嫌がるあだ名をつけた「いじめ行為」などの聴取を理由に、2日連続で計約16時間の別室指導を受けた。男性は教員から追及を受け続けた上、退学処分を告げられたことで追い詰められ、自殺を図ったと主張している。
男性側は訴状で、市が設けた第三者による調査委員会が認定した内容を引用し「『年次(退学には結び付かない年次指導)で終わらない』との発言が繰り返しなされたこと、これが原告(男性)には退学処分があり得ると思わせる不適切な発言であった」と訴えた。市側は答弁書で「第三者委員会がさも断定的、脅迫的な発言として認定したもので、教員の発言の意図と異なる」と指摘し、退学を意図する発言ではなかったとした。