居室の便清掃せず、全裸検査… 知的障害者施設で虐待疑い25件

居室の便清掃せず、全裸検査… 知的障害者施設で虐待疑い25件
毎日新聞 2022/9/5(月) 20:39配信

 神奈川県立の知的障害者施設「中井やまゆり園」(同県中井町)で、職員が利用者を暴行したり、便で汚れたままの居室で生活させたりするなど、虐待が疑われる事案が25件あったことが5日、外部有識者でつくる調査委員会が公表した報告書で明らかになった。施設側が映像で暴行の様子を確認していたにもかかわらず、障害者虐待防止法に基づく自治体への通報を怠っていたことも判明。県は職員の意識改革を進める。

 報告書では、調査した91件のうち2015〜21年度に起きた25件を虐待が疑われる事案と認定。他の不適切な対応の事案も含めると、職員約170人のうち76人が関与していた。暴行事案では21年9月9日、男性職員が40代の男性利用者を台車に乗せて移動させ、その際、利用者に腕をかまれたため、顔を平手打ちしたり、拳で殴ったりした。別の男性職員は同日、この利用者が窓を蹴っていたため、制止する目的で足を蹴った。施設側はこれらの様子を映像で把握していた。県などは施設幹部が自治体に通報しなかった経緯をさらに調査する。

 他には、利用者が便で天井を汚した後も十分に清掃せず汚い環境の中で生活させた▽発熱のあった利用者を起床から就寝まで歩かせ続けた▽失禁で汚すという理由で寝具を提供しなかった▽共用スペースで利用者を全裸にしてボディーチェックをした――など。既に公表されている利用者の肛門にナットが入っていた事案や、スクワットを数百回させた事案も含まれた。

 調査委は報告書で「職員は利用者を人間として見られなくなっており、職員の不安や不満などが利用者への不適切な行為につながっている」と指摘。黒岩祐治知事は「被害に遭われた方におわびしたい。(施設の)体質を根本的に変え、見える形で示したい」と陳謝した。【牧野大輔】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする