鹿児島市の中2いじめ「学校、市教委の対応が不適切」 第三者委「心身に重大な被害」と判断 2019年発生

鹿児島市の中2いじめ「学校、市教委の対応が不適切」 第三者委「心身に重大な被害」と判断 2019年発生
南日本新聞 2023/2/18(土) 7:15配信

 鹿児島市教育委員会は17日、2021年7月に第三者委員会へ諮問した市立中学校のいじめ事案について答申を受けた、と市議会市民文教委員会で明らかにした。答申は、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態が生じたにもかかわらず学校や市教委の対応が不適切・不十分だったと強調。引き続き非公開で課題の検証や改善を図るよう求めた。

 関係者の要望を踏まえ詳細は明らかにしていないが、とみられる。第三者委は計7件調査しており、答申が出るのは初めて。

 市教委によると、第三者委は22年11月まで調査や審議を計42回実施。いじめを認定し、心身に重大な被害が生じたと考えられる重大事態だったと判断した。さらに保護者が重大事態を申し立てたにもかかわらず、学校は市教委へ報告せず調査もしなかったと指摘。対応が不適切・不十分だった背景に、組織的対応や教員不足といった課題を挙げた。

 市教委はこのほか、いずれも市立中でのいじめで、学校主体で調査した2件の調査終了と新たな1件の発生を報告した。

 終了したのは、21年9〜10月に同級生から倒され上に乗られるなどした当時1年生と、同年12月発生し同級生にからかわれるなどした当時2年生の事案。いずれも24〜37日間欠席し、いじめを受けたと判断した。

 1年生の事案は、学校が被害生徒の心身の苦痛に早期に気付けなかった点や、復帰へ効果的な対応が取れなかったとの課題を指摘。2年生の事案は再発防止策として、指導体制の徹底や校内の情報交換といった組織的対応の強化を挙げた。

 新たな1件は、22年6月中旬に起きた2年生の事案。持ち物が紛失したと生徒から相談され学校が聴き取り調査などしたが、生徒が休みがちになり、重大事態と判断した。学校主体で調査する。市教委が調査対象とするのは終了分も含め15件目。

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