不適切指導による子供の自殺「指導死」も初調査 岡山のいじめ件数過去最多(文部科学省)【岡山】
OHK岡山放送 2023/10/6(金) 18:05配信
いじめや自殺など学校での問題行動に関する2022年度の全国調査で岡山市の高校の男子生徒の遺族が求めていた教員の不適切な指導による子供の自殺いわゆる「指導死」の実態調査が初めて行われました。
この調査は文部科学省が全国の小中高校や特別支援学校などを対象に毎年行っているものです。今回から自殺に関する項目で児童・生徒の置かれていた状況に「教職員による体罰、不適切指導」が新たに設けられ、全国で小学生と高校生の2人の事例が該当しました。
(報告 生本ひなの)
「大声で怒鳴る、大勢の前で叱るなど教員による不適切な指導によって、子供が自殺に追い込まれる「指導死」その実態が初めて明らかになりました」
不適切な指導として考えられる具体例はものを投げるなどの感情的な言動による指導、思い込みによる指導、著しく圧迫感を感じる場所での指導、などがあげられます。
この調査をめぐっては11年前岡山市の岡山操山高校で野球部の監督の叱責を受けた後、自殺した男子生徒の遺族が実態に即した回答ができるよう県教委を通じて項目の新設を国に働きかけていました。
男子生徒が自殺した当時、生徒が置かれていた状況について教員の不適切な指導があったかを回答する項目はなく、「父母等の叱責」「学業等不振」などがあったと学校側が報告していました。
男子生徒の父親はこの結果を受け「不適切指導による自殺者の存在が明らかになり抑止が急務であることを痛感する」とした上で、「文科省への報告時には遺族と共有するなど透明性を確保する仕組みが必要と考えています」とコメントしています。
また岡山県教育委員会がこの調査に基づき、6日開いた会見で、2022年度、県内で認知されたいじめの件数は6723件と統計開始以降、過去最多となったことが分かりました。
増加の理由についてはアンケート調査などでいじめの認知に取り組んだためだとしています。具体的な事例として「冷やかしや悪口」などが多く上げられました。