「性犯罪歴なし」確認する「日本版DBS」、法案の提出を見送り…少子化相「来年以降早い時期に」
読売新聞オンライン 2023/10/16(月) 12:04配信
子どもと接する職場で働く人に性犯罪歴がないことを確認する新制度「日本版DBS」の法案を巡り、加藤少子化相は16日、臨時国会への提出を見送ることを正式に表明した。確認を義務づける対象の職種や性犯罪歴を証明できる期間などについて、与党内から「内容が不十分」との意見が相次ぎ、調整に時間を要すると判断したとみられる。
政府がこの日に首相官邸で開いた「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」などの合同会議で、加藤少子化相が見送りを表明した。加藤少子化相は会議後に報道陣の取材に応じ、「来年の通常国会以降、できるだけ早い時期の法案提出に向けて検討を進めていきたい」と述べた。
日本版DBSを巡っては、小倉前少子化相が今年6月、臨時国会への法案提出を目指す考えを表明。こども家庭庁の有識者会議は9月上旬にDBSの制度案を報告書にとりまとめていた。
同庁はDBS制度について、学校や保育所などに性犯罪歴の照会を義務づける一方、学習塾やスポーツクラブなど民間事業者は任意での利用とする方向で検討してきた。性犯罪歴の有無を確認できる期間については、「刑を終えて10年がたつと刑が消滅する」などとした刑法の規定を踏まえ、上限を設ける方向で調整していた。
同庁は今後、性被害防止の好事例を収集するとともに、保育所や児童福祉施設などへの防犯カメラの設置費用を補助していく。