大阪・高2自殺:「適切な部活指導を」 県教委、県立学校などに通知 /埼玉
毎日新聞 2013年1月10日(木)13時16分配信
大阪市立高校の生徒がバスケットボール部顧問の教諭から体罰をされて自殺した問題を受け、県教育委員会は9日、県立学校や各市町村教委に、運動部活動の指導体制の点検と適切な指導を求める通知を出した。県内でも、部活動などで体罰をした教諭が懲戒処分を受けたケースが相次いでいる。いじめと同様、大阪市の問題をきっかけに、潜在していた体罰が表面化する可能性もある。
県教委の通知は、運動部の顧問に「勝利至上主義に偏った、行き過ぎた指導にならないよう留意すること」と要請。生徒や保護者が不安や悩みを相談できる体制作りに努めるよう求めている。
県教委は11日に公立高の校長らを集めて開く研究協議会でも、体罰の防止に向けた指導の徹底を呼びかける。このほか、各校の管理職に対しても、部活動などの指導の実態を踏み込んで把握するよう求めることを検討する。
県教委によると、体罰を理由とした県内の公立学校の教職員の懲戒処分(さいたま市などを除く)は近年、数件で推移し、今年度はこれまでに2件。同11月には、
県教委は、生徒指導の重点課題の解決を図る運動に取り組んでおり、毎年夏に開く研究協議会で、体罰の禁止について独立した項目を設けて説明。98年には体罰の根絶を目指し、原因の分析や対処方法を収めた冊子を作ったが、その後は改定されていない。
一方、さいたま市でも今年度は体罰による教職員の処分が2件あり、市教委は9日、市立学校の全校長・幼稚園長に、体罰をなくし、教職員への指導を求める通知を出した。通知では全教職員に発言・行動の点検を促したほか、▽体罰が疑われる事案に誠実・迅速に対応▽人権尊重の精神に基づいた指導の徹底−−などを求めた。【木村健二、林奈緒美】
1月10日朝刊