学校いじめ 急増52件 12年の滋賀県内人権侵犯
京都新聞 2013年3月4日(月)22時39分配信
大津地方法務局は4日、2012年の滋賀県内の人権侵犯事件の内訳を発表した。新規に救済手続きを開始した事案のうち、学校でのいじめは52件あり、22件だった前年の約2・3倍に急増した。同法務局は「大津市の男子中学生が自殺した問題を機に、これまで潜在化していたケースが浮かび上がったのでは」とみている。
■救済手続き 大津問題で顕在化か
新たに手続きを開始した事件の総数は前年比4・1%増の333件で、いじめ関連の総数は前年からの継続2件を含め54件だった。法務局の救済措置では、学校に生徒の見守りを依頼する「援助」が48件にのぼった。
また、「子どもの人権110番」などに寄せられた、いじめに関する相談は前年より100件増の251件。人権侵犯事件としての取り扱いが少なかったのは、「保護者が学校への調査を望まないケースが多かったため」という。法務局は「学校のいじめへの対応が不十分と感じた場合、悩まずに相談してほしい」と呼びかけている。
その他の新規の救済手続き開始件数は、インターネットなどによるプライバシー侵害が28件。子どもに対する親の暴行や虐待は28件と4年連続で増加。教職員や地方公務員らによる人権侵犯事件は39件だった。