駆け込み退職、教員突出 県職員は数人、県警ゼロ 静岡

駆け込み退職、教員突出 県職員は数人、県警ゼロ 静岡
産経新聞 2013年3月6日(水)7時55分配信

 公務員の退職手当削減方針に伴い、100人以上の教員が“駆け込み退職”する問題で、早期退職希望者は教員が突出しており、県職員では数人にとどまっていることが5日、分かった。県警職員には同日現在、駆け込み退職の動きはないという。同条件でありながら、駆け込み退職が教員に集中したことについて、県教委では「対象者が多いからでは」としているが、川勝平太知事は「何と言っても学校の先生ですから」と、教員に高いモラルを求めた。

 県議会2月定例会に提案中の退職手当引き下げ条例案の施行予定日は3月20日。可決されれば、同20日以降の退職者は同19日以前に比べて手当が大幅減額される。

 県によると、手当削減の対象者は、知事部局の県職員168人▽教職員588人▽警察職員125人の計881人。1人当たり約150万円の減額で、全員が年度末まで勤めた場合には総額10億円の予算削減効果があるという。

 県教委は現在、早期退職希望者数を集計中だが、2月末日時点ですでに100人を超えた。担当者は「今後、『こんなに多いなら、私も辞めようか』と思う人も出てくるのでは」とさらなる増加を予想する。

 県議会では6日にも退職手当関連条例案の質疑が予定されており、条例案成立の見込みが大きくなれば、県職員の駆け込み退職も本格化する可能性がある。

 一方、警察職員については「5日現在で早期退職希望者は把握していない」(県警警務部)という。もっとも、ある警察職員は「みんな生活がかかっているので…」と、今後早期退職者が出てくる可能性を推測していた。

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