行田の中学生意識不明:検証など遅い対応指摘 調査委が9項目提言 /埼玉

行田の中学生意識不明:検証など遅い対応指摘 調査委が9項目提言 /埼玉
毎日新聞 2013年3月27日(水)16時28分配信

 行田市の中学校で10年12月、当時2年生だった渡辺莉子さんが教室で倒れ、現在も意識が戻っていない事故で、行田市の調査検討委員会(大嶋伸之委員長)は26日、記者会見を開き、報告書を公表した。学校側や市教委に、心肺蘇生への認識不足や心疾患の情報共有がされていなかったことに加え、事故検証の開始が事故発生から2年後となるなど事故後の対応や情報開示の遅さなどの問題点を指摘した。
 渡辺さんは10年12月14日朝、ホームルーム中に突然倒れた。教諭らがAED(自動体外式除細動器)を使って救命措置をしたものの、意識が戻らず、重度の障害が残った。
 報告書では、心肺停止に対する認識や対応が不十分だったと分析。事故後の対応についても「プライバシーを心配して情報の提供に動かず、情報の隠蔽ととられても申し開きできない不誠実な対応に終始した」と批判した。その上で、全教職員に随時、救命講習を実施したり、事故発生時には速やかに調査を行ったりすることなど9項目の提言をした。
 委員会は「AEDとともに心肺蘇生をすることが大事」と強調。市教委は今後、養護教諭に対する講習に力を入れ、情報共有に努めるという。【清水隆明】
3月27日朝刊

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