<下関国際高校>男子バレー部で暴行 監督ら黙認
毎日新聞 2013年6月11日(火)12時9分配信
山口県下関市の下関国際高校の男子バレーボール部(部員20人)で5月、2年生の部員1人が他の部員8人から集団で暴行を受け、その場にいた監督ら3人の男性教諭が黙認していたことが11日、同校への取材で分かった。同校は監督を解任し、部を1カ月の活動停止とした。
下関国際高校によると、5月21日午後6時ごろ、練習後の体育館で、1〜3年の部員8人が代わる代わる2年生の男子部員の顔を平手打ちしたり、腹を殴ったりした。その後、暴行は体育館内の教官室でも続き、室内にいた40代の監督や、20代の部長と副部長が見ていたが、止めずに黙認した。暴行は約1時間にわたったという。また、この暴行に加わらなかったことを理由に、引き続き部員5人が別の部員4人に対して平手打ちなどをした。
最初に暴行を受けた男子部員は顔が腫れ、続いて暴行された4人のうち3人は耳の鼓膜が破れるけがをした。被害部員の5人は通常通り登校しているという。
被害部員の保護者が警察に相談し、警察官が事実確認のため5月27日に同校を訪れて発覚した。学校の調査に対し、部員らは暴行の理由について「練習に出てこなかったから」「約束を守らなかったから」と話しており、監督は「部員間の指導の流れの中で起きた。ひどくなったら止めようと思っていた」と説明しているという。
同校は5月29日付で部を1カ月の活動停止処分にし、男性教諭を6月6日付で解任した。6月1、2両日にあった山口県高校総体の出場も辞退した。
監督は同校バレーボール部の卒業生。3年生の学年主任を務めており、7年ほど前に監督に就任。昨年度は監督を外れていたが、4月から復帰していた。同校の男子バレー部は私立高校の全国大会に出場するなど山口県内の強豪校の一つ。
武田種雄校長は11日、報道陣の取材に「あってはならないことで申し訳ない」と陳謝し、「チーム強化が根底にあった。監督が(暴行を)指示したということはなく、子どもたちの気持ちの表れだった。子どもたちの心のケアと教員の意識改革をしていきたい」と話した。【平川昌範】