<元Jリーガー初公判>体罰で「強くなるなら」 岐阜地裁

<元Jリーガー初公判>体罰で「強くなるなら」 岐阜地裁
毎日新聞 2013年6月15日(土)1時55分配信

 サッカークラブの教え子に大けがをさせたとして傷害罪に問われた元Jリーグ「ジェフユナイテッド市原(現ジェフユナイテッド市原・千葉)」選手、西脇良平被告(33)は14日、岐阜地裁(小嶋順平裁判官)初公判の被告人質問で「痛みを与えることで要求するレベルまで上がってきてほしかった」と動機を語った。小中学生時代の体罰被害も明かし、根深い暴力の連鎖が背景に浮かんだ。

 検察側は冒頭陳述で、09年ごろから中2以上の選手に、顔を平手で殴ったり尻を蹴ったりしていたと主張。それ以降チームが県トップレベルになり「体罰を正当化するようになった」と指摘、懲役1年6月を求刑した。

 西脇被告は弁護側の被告人質問で、チーム強化のため体罰を繰り返したと供述。自身も体罰を受けたことを明かし「強くなるなら仕方がないと思っていた」と語った。弁護側は執行猶予を求めており判決は28日。

 関係者によると、西脇被告は大垣市出身では唯一のJリーグ選手。ある保護者は「熱意のある良い指導者」と信頼を寄せ、現場復帰を求めているという。

 中京大の近藤良享教授(スポーツ倫理学)は「子供たちをたたけば一定のレベルまで強くなるが、それ以上は伸びない。言葉で伝える能力がないから暴力をふるう」と指摘した。【道永竜命】

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