才教学園、音楽教員の免許未更新見抜けず

才教学園、音楽教員の免許未更新見抜けず
2013年9月3日 読売新聞

 松本市の私立小中一貫校「才教学園」で、中学校の教員免許しかない教員が小学校の学級担任をするなどしていた問題で、下辻正孝教頭(61)は2日、報道各社の取材に応じ、教員免許の更新し忘れにより、女性教員が2012年4月〜今年7月に無資格状態で小中学校の音楽を教えていたことを明らかにした。

 教員免許の更新制度は09年に導入されているが、下辻教頭は「免許更新の仕組みをよく理解しておらず、気付かなかった」と弁明した。

 学園は無資格授業を行った教員を年度ごとに数えており、これで延べ67人、実人数は13人となった。下辻教頭は「8月30日に県に報告した」と説明。女性教員は現在も学園に在籍しているが、授業はしていない。

 学園は一連の無資格授業問題を受け、2学期から新たに5人の教員を採用するとしていたが、このほかに新たに音楽の非常勤講師を採用したという。

 県教委高校教育課によると、女性教員の場合、免許更新には、09年4月〜11年1月の間に講習を受ける必要があったが、同期間中は現職の教員でなかったために受講義務はなかった。

 免許は失効していなかったが、必要な届け出をしていなかったため、12年4月の採用時点で無資格状態だったという。文科省が認定する更新講習を30時間受け、必要な届け出をすれば、免許の効力は復活する。

 下辻教頭は「採用の際、免許の写しも提出してもらったが、しっかり確認しなかった」と話した。一連の無資格授業問題を受けての内部調査でも、免許の有無だけを確認し、取得日をきちんとチェックしなかったため、女性教員が申告した30日まで無資格授業に気付かなかったという。

 一方、学園は2日、2度延期していた2学期の始業式を、当初の予定より10日遅れて実施。8月28日夜から入院していた山田昌俊校長(64)も式に出席し、児童生徒に謝罪した。

 学園によると、約500人の児童生徒で欠席者はほとんどいなかった。山田校長は「皆さんを悲しい気持ち、不安な気持ちにさせたことをおわびする。このような事態に陥った責任は校長である私にある」と述べた。「2学期から問題は全て改善されている。才教生であることに誇りを持ち、自信を持って学校に通ってください」と呼び掛けたという。山田校長は式に出席後、病院に戻ったという。

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