<背任>樟蔭東学園の前理事長に有罪判決 大阪地裁
毎日新聞 2013年9月4日(水)18時30分配信
東大阪市の学校法人「樟蔭東(しょういんひがし)学園」を舞台にした背任事件で、学園から3億8000万円の無担保融資を引き出したとして、背任罪に問われた前理事長、高橋努被告(67)に対し、大阪地裁は4日、懲役2年、執行猶予4年(求刑・懲役2年)を言い渡した。村越一浩裁判長は「学校法人への社会的信頼を大きく失墜させたが、関与は従属的だった」と述べた。
判決によると、高橋被告は、学園を統括していた元理事の小山昭夫被告(82)=同罪で公判中=と共謀し、2010年3〜4月、小山被告に返済能力がないと認識しながら融資を実行し、学園に損害を与えた。
判決で村越裁判長は「小山被告に従わなければ自分の地位も危うくなると考え、犯行に加担した」と指摘した。【内田幸一】
東大阪市の学校法人「樟蔭東学園」(高橋努理事長)が顧問の小山昭夫氏(80)に運営資金から計4億8000万円を不適切融資した問題で、小山氏が07年に学園の人事権を得るために使った2億円は、自身が理事長を務め、民事再生法の適用を受け経営再建中だった学校法人「東北文化学園大学」(仙台市)の運営資金を無断流用したものだったことが分かった。関係者は「経営再建中の学校の資金を私的流用するのは許されない」と批判している。