鹿屋の教え子セクハラ訴訟:校長わいせつ 市のみの賠償確定 最高裁が上告棄却 /鹿児島
毎日新聞 2013年11月06日 地方版
鹿屋市内の中学校に通っていた女性が当時の校長にわいせつ行為を受けたとして、市と元校長に計1671万円の損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は女性側の上告棄却を決定した。
市によると、決定は10月22日付。「民事事件の上告の事由に該当しない」としている。市に141万円の支払いを命じた控訴審判決が確定し、市は同31日、遅延損害金を含めた約186万円を女性に支払った。
1審、控訴審とも元校長の賠償責任については「公務員の行為は公共団体が賠償責任を負う」として認めなかった。市は今後、元校長に賠償額を支払うよう求めるか検討するという。
控訴審判決によると、元校長は2007年、当時中学3年だった女性をドライブに連れ出し、車内で覆いかぶさるなどの行為をした。
◇支援の教諭が「退職金返せ」 県議会へ陳情
これを受け、この女性を支援する霧島市の私立学校教諭、森健一さん(58)は5日、鹿児島市で記者会見。当時の校長(昨年3月末退職)が「退職金を受け取っているのは不当」として、県議会へ陳情した。元校長に対し、退職金の返還請求を命じるよう県教委に働きかけることを求めている。
森さんによると、元校長に対する退職金の支給停止、返納について2度、県監査委員に請求。しかし、いずれも認められなかったという。
毎日新聞の取材に対し、県教委教職員課は元校長に返納を求めるかどうかについては「検討中」としている。【新開良一、津島史人】
元校長は07年6月、練習後にドライブに誘い、車内で「かわいいなあ」「嫁にしたいなあ」などと発言し、太ももを触ったり、キスをしたりした。