「薬物シュークリーム」だけじゃない女の陰険犯罪

「薬物シュークリーム」だけじゃない女の陰険犯罪
東京スポーツ 2013年11月18日 11時00分

 同僚の40代女性教諭に音楽講師の女が睡眠導入剤入りシュークリームを食べさせたとされる事件があった大阪市平野区の市立加美北小学校で、ほかにも複数の女性教諭が突然眠り始めるなど、体調の悪化を訴えていた疑いがあることが15日、分かった。まさか職場の同僚が食べ物に“毒”を盛るとは何とも恐ろしいが、専門家によると事件としては珍しくないという。

 症状は以前から、学校関係者の間で原因不明の「眠り病」としてうわさになっており、いずれも傷害容疑で書類送検された中岡温子講師(60)が赴任後の時期だった。数人の女性教諭が入学式、卒業式、会議中に体調を崩し、病院に運ばれていた。

 被害届が出ておらず、因果関係も現時点で不明のため、大阪府警平野署はこれらの被害については事件化を見送る方向。

 捜査関係者らによると、中岡講師は昨年6月、会議中に睡眠導入剤「ブロチゾラム」を入れたシュークリーム1個を同僚の40代の女性教諭に食べさせ、急性薬物中毒にさせた疑いが持たれている。教師は一時、意識不明で、9日間も入院した。 睡眠導入剤は中岡講師の家族に処方されていた。講師は「児童に対する指導方法が自分と異なり、邪魔で仕方なかった。学校からいなくなればいいと思った」と容疑を認めている。

 また、ことが15日、分かった。平野署は、講師が昨年7月、この教諭の運動靴に黒ペンで「ヤメロ」などと書いたとして器物損壊容疑でも書類送検しており、資料がなくなったこととの関連を調べている。市教委は今年4月26日、資料を紛失したとして平野署に遺失届を提出したと公表していた。

 大ベテランがなぜ教諭たちを「邪魔」だと思ったのか。学校事情に詳しい絶対合格有限会社は「古い教師は絶対君主タイプが多いから、現代の生徒と友達感覚で接する教師が憎かったのでしょう。いまの教師は生徒にこびるし、生徒から攻撃されないので、苦労していないと気に入らないのです」と指摘する。

 同僚がくれたお菓子に“毒”が盛られているなど疑う人はいないだろう。今回は睡眠導入剤だから命を落とすことはなかったが、もし農薬などを混入されたとしたら恐ろしい。
 元刑事で犯罪社会学者の北芝健氏は「殴るとか刺すとか直接的で物理的な筋肉運動に自信がない女性は、経口の“毒”に頼る傾向にあります。大昔から毒を使った女性の犯罪は多く報告されています。男だったら、腹が立てば一発食らわすってことになりますが、女性が牙をむく際には、毒を使うしか方法がない場合もあるんです」と説明する。

 それにしても、「邪魔」「いなくなればいい」という理由でここまでするのだろうか。

「『気に食わない』だけで行われる犯行はよくあります。昔、私が担当したのは、職場の上司と不倫していた部下の女のケースです。上司は自転車通勤で金に渋い男。居酒屋で飲んで、すぐにラブホテルというデートしかしなかった。男が居酒屋でトイレに行ってる間に、料理やビールに粉にしたハルシオンを振りかけていた。で、飲んだ帰りに男が自転車で転んで大けが。いろいろ調べると、男も悪いので被害届を出さず、事件化はしなかった」と北芝氏。

 軽い気持ちで、睡眠導入剤などを盛るケースはけっこうあるようだ。やっかいなことに、被害者は盛られたことに気づかず、ただ眠かったり、寝てしまったり。そうすると何回も同じ相手から被害に遭ってしまう。エスカレートしていかないのだろうか。

「犯人としては軽くつねってやったという感じでしょうから、深刻な毒物にエスカレートはしなかったでしょう。犯人は臆病なので、相手の体にダメージを与えて満足したら、回復させてあげるというタイプです」(北芝氏)

 一部では講師は生徒受けがよく、人気があったというが、“毒”を盛るというねじ曲がったストレス解消で、生徒の前でいい人ヅラしていたのかもしれない。

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