女優志望の女性に性的暴行をしたとして、準強姦、準強制性交などの罪に問われた芸能プロダクション元顧問の星政則被告(57=逮捕時)の公判が1月16日、東京地裁で開かれた。 起訴状によると星被告は’16年に自身の芸能プロダクションに所属する当時10代の女性に「体形チェックをしたい」と伝え、ホテルで性的暴行をした疑いが持たれている。 「星被告は『芸能界の有力者やヤクザともつながりがあるので売り出すことも消すこともできる』と脅し、女性に性行為を強要しました。女性はレズビアンで彼氏がいたことがなく、星被告の被害を受けるまで性行為の経験もなかったと供述しています。しかし、これまでの公判で星被告は、性行為自体は認めたものの、合意があったと無罪を主張しています」(全国紙司法担当記者) 白髪交じりの星被告は上下黒のスーツ姿で出廷。顔に深く刻まれた皺が強面を印象付け、芸能プロダクション顧問であった風格を漂わせている。その立場を悪用した卑劣な犯行を訴える女性と無罪を主張する星被告。両者の意見は真っ向から対立している。 「被害女性は中学生の頃からモデル活動などを行い、高校卒業後に上京し大学に入学。以前に患っていた拒食症を再発するが、女優になりたいという強い思いで克服したといいます。その後に、星被告が顧問を務める事務所に預かりという形で所属し、性被害に遭ったのです」(前出・記者) 裁判の冒頭、目隠しのために設置された衝立の奥で、被害女性が意見陳述書を読み上げた。 「私は何度も死をさまよった拒食症を乗り越えることができました。それは女優になりたいという強い気持ちがあったからです。しかし芸能事務所の取締役(編集部注:実際は『顧問』だが女性は『取締役』と表現)から性被害を受けるなんて19歳だった私は想像もしていませんでした。性被害を受けなければ今も舞台に立ち続けていたと思います」 と、無念を語った。さらに、 「星から離れれば、トラウマや自分の体が汚いと思う感情は消えると思っていました。しかしまったく消えず、小さなきっかけで星を思い出し呼吸が苦しくなり、涙が止まりません」 「人と接することが怖くなり結婚や家族を持つという未来が持てなくなりました。体は生きていても私の心は星に殺されてしまいました」 などと、被害の影響は私生活にも及んでおり、絶望の思いを語っている。 ◆「女優になりたいんでしょう?」 星被告が無罪を主張していることについては、 「星の尋問を聞き怒りと悲しみに溢れています。星には厳正な処罰を受けることで罪の重さを感じてほしい」 と強い口調で訴えた。捜査の過程でわかったことは、星被告は立場を悪用しただけではなく、女性を苦しめた拒食症にもつけこんでいたということだ。 「『拒食症で痩せたことがあるから体を見せてほしい』と言ってホテルで女性の裸を撮影。女性が嫌がる素振りを見せると『女優になりたいんでしょ? さっきヤル気あると言ったよね?』と怒鳴り抗拒不能(物理的または心理的に抵抗することが著しく困難な状態)な状態にし、性行為に及びました。コンドームを使わずに膣内で射精していました」(捜査関係者) 検察は、 「『芸能界に権力を有しヤクザともつながりがある』『自らの気に入らない女優等は排除できる』と信じ込ませた卑劣かつ悪質な犯行は鬼畜の所業。不当な弁明に終始し反省の態度は皆無」 として懲役7年を求刑した。一方の弁護側は、 「ヤクザとつながりがあるなどの発言はなかった。性行為は承諾があった」 として改めて無罪を主張。星被告も、 「事実と違うことを認めることはできません。公正な判決をお願いします」 とはっきりとした口調で訴えた。食い違う両者の言い分に法廷はどういった判断を下すのか。判決は2月26日に言い渡される。