修学旅行費カルテル:市教委と現場、業者選定で食い違い 入札なく各校独自に /岡山

修学旅行費カルテル:市教委と現場、業者選定で食い違い 入札なく各校独自に /岡山
2009年3月13日16時3分配信 毎日新聞

 岡山市立中学校の修学旅行代金を巡り、市内の旅行大手5社が独禁法違反の疑いで公正取引委員会の立ち入り検査を受けた事件で、市の推奨する業者選定方法と現場の実態に食い違いがあることが12日、校長会への取材などで分かった。また、山脇健教育長は同日、市議会文教委で「公取委の判断によっては、5社の排除も含めた検討が必要」と述べた。
 市教委学事課は修学旅行業務のマニュアルを作成、推奨する業者選定方法など明記している。それによると、業者を匿名にした上で見積もりを取ったり、入札によって最低価格業者に決めることが望ましい、としている。
 だが、実態は「そう単純ではない」と校長会幹部は言う。幹部によると、校長会が推薦する業者7社(大手5社と名鉄観光、両備)から各校が業者を複数選んで見積もりを依頼、内容を比較検討し、独自の判断で業者を決めるのが通例になっているという。
 幹部は「修学旅行は、入札を行って“10円でも安く”という手法はなじまない。添乗員の質や不測の事態に対処できる業者を選ぶ必要がある」と話し、事情に応じた業者選定の必要性を強調した。
 県教委も同様のマニュアルを作成し、入札による選定を勧めているが、独自判断で業者を決める学校もある。ある県立高教頭は「行き先が複数あったり、毎年変わったりするため、業者もその都度異なる。海外の場合、現地支社のある会社を優先するなどの判断はあり得る」と話す。
 山脇教育長は、市のマニュアルと実態の食い違いについて「価格と安全面、旅行内容のバランスがとれた業者を選ぶことが大事だ」としている。しかし、「業者選定のあり方は見直すべきだ。学校側に裁量があると(業者に)つけ込まれやすい。業者に対し厳しい目を持たなければ」と指摘する中学校長もいる。【石戸諭、椋田佳代】

3月13日朝刊

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