乗客夫婦 執念の張り込み 痴漢容疑で教諭逮捕

乗客夫婦 執念の張り込み 痴漢容疑で教諭逮捕
2009年5月1日 東京新聞 夕刊

 東京都杉並区立和泉中の教諭北山哲也容疑者(45)が電車内で痴漢をした疑いで逮捕された事件は、利用客の夫婦による執念の追跡が摘発に結びついた。夫婦は、北山容疑者が複数の女子生徒に痴漢を働くところを目撃し、電車内に張り込んでいた。被害者のうち、夫婦が話を聞いた女子生徒は「一年前から痴漢をされていた。怖くてたまらなかった」と涙で訴えたという。

 京王線に乗り合わせた男性公務員(48)が、北山容疑者の痴漢行為に気づいたのは四月十七日朝。女子生徒に密着して立っていた教諭の手は生徒の尻付近にあった。不審に思った男性が二人の間に割って入ると、北山容疑者がにらみ返してきた。三日後、別の女子生徒が北山容疑者に密着されているのを目撃。男性が翌日、会社員の妻(48)と乗車すると、また別の女子生徒が被害に遭っていた。

 夫婦は警視庁鉄道警察隊に相談。隊員と電車内に張り込んで三日目の二十四日。「警察です」と声が響き、北山容疑者が都迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕された。「ほかの子が痴漢されるのを見ていたら、いつの間にか自分が標的にされた」。逮捕容疑の被害者となった女子中学生は夫婦に話した。

 夫婦は「被害者は髪は染めずスカートも長いまじめな生徒ばかり。被害を親にも言えないおとなしい子が狙われたのだろう。黙って耐えている姿を見ると涙が出た」と話す。

 警視庁の調べに複数の痴漢行為を認めた北山容疑者は、中学一年の担任だった。

 杉並区教委によると「悪い評判はなく、数学の教務主任として一生懸命だった。動機はわからない」としている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする