履正社高教員らが府有地に無断駐車 20年前から
2009年7月27日15時23分配信 産経新聞
私立履正社高校(大阪府豊中市)の教員らが約20年間にわたり、学校に近い「服部緑地」の府有地の一角に、通勤用の乗用車を無断で駐車していたことが27日、この土地を管理する府池田土木事務所の調査で分かった。近所の男性が、府有地に空きスペースがあるため、勝手に使用を“許可”していたという。
この男性は「認識が甘かった」、教員は「府有地とは知らなかった」、土木事務所は「府有地の管理が行き届いていなかった」と三者三様の釈明をしている。
池田土木事務所によると、この府有地は服部緑地の西端に位置し、履正社高校から約300メートル離れた豊中市長興寺南にある。6月下旬、地元住民から「府有地が駐車場代わりにされている」との指摘があり、調査すると、教員らの無断駐車が判明した。
関係者によると、府有地の近所の男性(62)が約20年前、付き合いのあった履正社高校の50代の男性教員から「通勤用の乗用車を駐車させてほしい」と依頼された。これ以降、複数の教員が駐車場代わりに使用し、指摘を受けた当時は男女4人が駐車していた。
男性も府有地に家族の車を止めたり、業者の依頼を受けて清涼飲料水の自動販売機の設置を勝手に許可したりしたという。
男性は「教員や業者には、府の土地だと説明した。ほとんど使われていない場所だったので構わないと思って許可した。判断が甘かった」と釈明。教員側からは年に数回、1万円ほどの現金や菓子などを謝礼として受け取っていた。自販機業者からも売り上げの約1割を電気使用料名目で受け取っていたという。
これに対し、最初に駐車を依頼した50代の男性教員は「府有地とは知らなかった」と主張。40代の男性教員は今年4月、近くの民間駐車場を月1万5千円で借りてマイカー通勤を始めたが、翌月に50代教員から「スペースが空いているから使わないか」と誘われて府有地に駐車するようになった。男性教員は「年2回ほど簡単な謝礼をするだけでいいと聞いたので使った。今後は止めない」と話している。
今回の件について履正社高校の事務長は「このようなことは許されることでなく、二度とないようにしたい」と話した。
服部緑地を管理する池田土木事務所は「あまり目立たない場所でもあり、土地の管理が不行き届きだった」と釈明。学校側から話を聴いて経緯を調べるとともに、駐車禁止の看板を設置した。