逮捕直後に警察署から出てきた男の目はうつろだった。本誌カメラマンなど集まった報道陣をチラリと見ると、顔をふせ憔悴した様子で足早に護送車へ乗り込んだ――。 警視庁荏原署は3月28日、不同意性交の疑いで東京都品川区に住む歌手の中孝介容疑者(44)を逮捕した。同区内の銭湯で男性客にわいせつな行為をしたとされる。中容疑者は「身に覚えがありません」と犯行を否認しているという。 「中容疑者は鹿児島県出身で奄美大島の民謡『島唄』を独学で学び、琉球大学卒業後の’06年にメジャーデビューしました。『花』や『サンサーラ』などのヒット曲のある有名歌手です。アルコール商品や食品のCMや、テレビ番組のテーマソングにも多くの曲が起用されています。 人気は日本国内にとどまりません。台湾などで発売されたアルバム『触動心弦』は、同国のヒットチャート1位に。台湾映画『海角七号』では、俳優デビューもしているんです」(大手レコード会社社員) ◆被害者が容疑者を取り押さえ…… 台湾メディアも報じた中容疑者の逮捕。国内外で知名度の高い歌手は、どんなトラブルを起こしたのだろうか。 「事件は3月28日の深夜に、品川区内の銭湯で起きました。被害にあったとされるのは20代の男性客Aさん。閉店直前の午前2時ごろ、休憩室のイスでうたた寝をしていたAさんの身体を中容疑者が触ったとされます。被害に気づいたAさんが中容疑者を取り押さえ、銭湯の従業員が110番通報。Aさんと中容疑者に面識はなく、事件が起きた当時、休憩室には2人しかいなかったそうです」(全国紙社会部記者) 中容疑者の所属事務所は、事件発覚直後〈被害に遭われた方に心よりお詫び申し上げます〉とのコメントを発表している。 元神奈川県警の刑事で、犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が語る。 「容疑が事実なら、人が少ない深夜の閉店前を狙っての犯行です。被害男性と2人きりだったことを考えると、計画性がうかがえます。事件が容疑者の自宅から比較的近くにある銭湯で起きていることから、余罪についても調べる必要があるでしょう」 中容疑者の曲をテーマソングに起用している番組などは、対応に追われることになりそうだ。