教育政策、日教組の影?自民の批判に政府反論 学力テスト縮小 教員免許制見直し

教育政策、日教組の影?自民の批判に政府反論 学力テスト縮小 教員免許制見直し
2009年11月8日 読売新聞

 鳩山政権発足後、教育行政が様変わりを始めている。文部科学省は高校授業料実質無償化や全国学力テストの縮小、教員免許更新制の見直しなど、政権交代を反映した新たな政策に相次いで着手しているが、背景には、民主党支持団体の日本教職員組合(日教組)の影響があるとの見方も強い。

 「ぜひ、長く大臣の職を続けていただきたい」。10月中旬、川端文科相を訪ねた日教組の中村譲委員長はこう切り出し、関係の良好さを印象づけた。

 全国学力テストの縮小は変化の代表例だ。テストは、小学6年と中学3年全員が対象だったものを、来年度から全国の小中から40%の学級を抽出する方式に替える。日教組は政策提言で、全国一斉の学力テストを「序列化・競争をあおる」などと批判していた。学力テストは来年度予算の概算要求の事業仕分け対象にもなり、57億円の予算は36億円に縮減。今後さらに縮小される可能性があるという。

 自公政権が導入した教員免許更新制についても、日教組は「教育現場から不安や不信の声が多く出ている」と反対してきた。

 民主党は衆院選の政権公約(マニフェスト)に教員免許制度の抜本見直しを掲げた。日教組出身の輿石東・民主党参院議員会長は9月、「法律をできるだけ早く変えなければいけない」とし、来年の通常国会で法改正を検討する意向を記者会見で表明した。政府は現在、学校経営や生活・進路指導などの「専門免許制」の導入を検討している。

 自民党は批判を強めている。5日の衆院予算委員会では、同党の下村博文氏が「民主党のマニフェストと日教組の提言は一致し、日教組の政策が色濃い」と指摘した。自民党内からは「参院選を前に、日教組の影響力は一段と強まるだろう」との懸念も出ている。

 政府はこうした指摘に敏感だ。川端文科相は6日の記者会見で、「子供たちにどういう教育ができるか、しか物差しはない。『日教組から言われたからする』ということは一切ない」と反論した。鳩山首相も5日の衆院予算委で「民主党と日教組の政策が近いことは事実」と認める一方、「民主党の『日本国教育基本法案』は日教組から批判された」と説明し、一線を引いていることを強調した。

 ただ、「政府は、日教組や輿石氏の主張には今後も配慮するだろう」(日教組出身議員)との見方は、民主党内でも強い。

 全国学力テスト 2007年に始まり、小学6年と中学3年全員の計200万人以上が毎年受ける。川端文部科学相は来年度から、全国の小中学校から40%の学級を抽出し抽出から漏れた場合は市区町村などが希望すれば参加できる方式とすることを決めた。

 教員免許更新制 安倍首相(当時)が掲げた「教育再生」の具体策。2009年度に正式導入された。国公私立の幼稚園から高校までのすべての教員免許を、原則として10年ごとの更新制とし、更新時には計30時間の講習を義務づける。

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