交通事故を起こした女優の広末涼子容疑者(44)が搬送先の病院で看護師に暴行し傷害の疑いで逮捕された事件で、事故直前まで奈良で撮影していた主演映画が、広末容疑者の体調により急きょ撮影スケジュールが変更されていたことが11日、分かった。“広末待ち”とも呼べる状況に現場は混乱状態だったという。 関係者は「撮影日程が広末さんの精神状態で大幅に変更されることがあった。現場には相当負担がかかっていたのではないか」と明かした。監督とも方向性や意見の違いから衝突することがあり、監督は「俺はもう降りる」と話していたという。 製作側には他にも離脱者が出ていたとみられる。在阪のテレビ局関係者は「何があったか分からないが、助監督が急きょ離脱したと聞いた。製作側から代役がいないかと依頼があった」と明かした。助監督は演出補助などのほか、出演者のケアも担う立場。関係者は「スケジュールが急に変われば演者のケアも大変になる。助監督の心労は多かったと思います」と指摘した。 広末容疑者は所属事務所から独立し、昨年2月に個人事務所を立ち上げた。慣れない社長業と並行しながら、先月28日には約2年ぶりに地上波番組に出演し、翌29日には台湾での音楽祭に参加。今月に入って、本格的な女優復帰作となる予定の今回の映画の撮影に臨んでいた。芸能関係者は「心身ともに負担が重なってストレスを抱えていたのかもしれない」と推し量った。 撮影は事故を起こした7日も奈良で行われていた。広末容疑者は、その帰宅途中の7日に事故を起こし、8日未明に逮捕された。8、9日にも撮影が予定されていたといい、これも急きょ変更になったとみられる。静岡県警などは、体調が事故に影響を及ぼした可能性もあるとみて、慎重に調べている。 ≪“事故”防止差し入れ制限≫ 広末容疑者が勾留されている浜松西署には11日、親族とみられる女性が訪れた。10日に静岡地検浜松支部の勾留請求を受け、裁判所が認めたばかり。女性が広末容疑者に差し入れをした可能性がある。警察関係者は「お金と衣類を差し入れるケースが多い」と話す。 歯ブラシ、タオル、石けんといった最低限の身の回りの清潔を保つ日常品は自身の購入となるため、所持金が必要だ。また、広末容疑者は19日までの勾留が認められ、持っていた下着が足りず、差し入れを頼んだ可能性が高い。警察関係者は「事故が起きそうなものは持ち込めないので、下着ではショーツはOKだが、ブラジャーはヒモとみなされてダメ。ちなみに入浴は週1回、夏場は2回。今は1回ではないか」と説明した。 ≪6月大分で出演予定の音楽イベント中止≫広末容疑者が出演し6月8日に大分市で開催予定だった音楽イベント「いのちのうた」は中止が決まった。主催者の一人で作家の安武信吾氏が自身のブログで発表した。広末容疑者のほか、ホンジャマカの石塚英彦や、ウルフルズのウルフルケイスケが出演予定だった。安武氏は「連絡の取りようがない状況の今、捜査の進展を見守るしかない」とつづった。