20年以上、覚醒剤や違法薬物の鑑定を担当した経験のある法科学研究センターの雨宮正欣所長が、13日放送のTBS系「サンデージャポン」(日曜前9・54)にVTR出演し、静岡県島田市内の病院で8日、看護師にケガを負わせたとして傷害容疑で逮捕された女優の広末涼子容疑者(44)をめぐる言動と、薬物使用との因果関係について解説した。 広末容疑者は7日午後、掛川市内の新東名高速道路上り線を運転中、前を走る大型トレーラーに追突する事故を起こした。その後、搬送先の病院内をうろつくなどしたところを制止しようとした看護師を蹴ったり、腕を引っかくなどして軽傷を負わせた疑いが持たれている。 捜査関係者によると、事故前にはサービスエリアで周囲の人に「広末で~す」などと体を触ったり、事故直後にも事故車の周りで立ったり座ったりするなど、不審な行動もあったという。 広末容疑者は事故前、ファンクラブサイトで、ぜんそくの吸入薬やせき止めや花粉症の薬、さらに解熱のための抗生物質などを処方されたことなどを報告していた。こうした薬と今回の事件、事故との関係について、雨宮氏は「せき止めの薬は、鎮静の方に脳には働きます。したがって、その薬の作用となると、事故を起こす前のサービスエリアでの言動だったり、病院での攻撃性を持った傷害事件の発生はちょっと当てはまらない」と指摘した。 一方で、一連の不審行動を引き起こした可能性があるとすれば、それ以外の薬だという。「違法薬物はほぼないということですから、それ以外の処方薬だったり、場合によっては市販薬、危険ドラッグの類い、こういうものもまだ否定されていませんので、可能性としてはあると思います」と説明した。 今後については「本人がこういう薬をいつ、どれだけ飲みましたと。そして必要であれば、ご本人の尿とかを採取して、その薬物が実際に入っている量だったり、種類だったり、そういうものと供述との適合性を見ることになると思います」と、見通しを語った。