<愛知・高2自殺>第三者委、見直し検討 遺族の協力拒否で

<愛知・高2自殺>第三者委、見直し検討 遺族の協力拒否で
毎日新聞 2013年1月18日(金)2時31分配信

 愛知県教委は17日、県立刈谷工業高2年だった山田恭平さん(当時16歳)が11年6月に自殺した問題を調査している第三者委員会について、今年11月に委員の任期が切れるのに合わせ、委員の氏名を公表するなどの見直しを検討する考えを示した。

 山田さんの遺族側は17日、調査への協力拒否を伝えた。不信感を募らせた背景として、調査開始の際に遺族に何の説明もなく、委員3人の氏名も公表しないなど県教委側の対応のまずさを指摘している。第三者委員会が11年11月に常設のものとしてつくられたことも、遺族側には昨年8月に初めて示されたという。

 代理人の多田元弁護士は、大津市や東京都品川区で起きたいじめ自殺の第三者委員会で遺族が推薦した人や遺族自身が委員になっている例を挙げ、「愛知県教委の秘密主義は異常だ」と主張する。

 委員名の非公表について愛知県教委は「公開すれば委員へ圧力がかかる」として、現在の委員については今後も名前を出さない姿勢を崩していない。一方で、調査開始時に遺族に説明をしなかったことについて「第三者委員会が常設で、山田さんのために作ったのではないという考えがあった」(県教委健康学習課)として、対応に問題があったことを認めている。このため、委員の任期満了に合わせて第三者委員会のあり方を見直す方針だ。【黒尾透】

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