生徒の父に出身中傷の手紙、高校教諭を逮捕
2月21日21時33分配信 読売新聞
教え子の父親に対し、被差別部落を中傷する内容の手紙を送りつけたとして、福岡県警久留米署は21日、同県久留米市国分町、市立高校教諭吉田威(たけし)容疑者(37)を脅迫、偽計業務妨害容疑で逮捕した。
発表によると、吉田容疑者は昨年9〜10月、同校の男子生徒の父親(38)方に、被差別部落を中傷する文言のほか、「死んでしまえ」「棺桶(かんおけ)はすぐそこ」「三途(さんず)の川を渡れ」と書いた手紙6通を郵送して脅迫。男性から相談を受けた同市教委に同9月〜今年1月、二十数回の対策会議を開かせるなど業務を妨害した疑い。吉田容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているという。
吉田容疑者は1995年、英語教諭として勤務先の高校に着任。2年ほど前から生徒指導を担当していた。昨年、男子生徒の指導方法について、父親と電話で話をした際、口論になったという。同署は、この時の口論が原因となり、手紙を送ることを思いついた可能性もあるとみている。
また、同校には、吉田容疑者の同僚教諭を中傷する手紙が4、5通届いており、同署は関連を調べる。同署は20日夜、吉田容疑者が勤務している高校と自宅を捜索し、手紙の作成に使ったとみられるパソコンなどを押収した。
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生徒宅に差別文書6通 部落中傷「消え失せろ」 久留米の高校教諭 脅迫容疑などで逮捕
2010年2月21日 06:44 西日本新聞
福岡県久留米市の高校の男性教諭が、同校男子生徒の父親あてに被差別部落を中傷し、「消え失(う)せてほしい」などと書いた内容のはがきや封書計6通を送り付けていた疑いが強まり、久留米署は21日未明、脅迫などの疑いで、同市国分町、高校教諭吉田威(たけし)容疑者(37)を逮捕、吉田容疑者が勤務する高校を家宅捜索した。捜査関係者によると、執拗(しつよう)な脅迫を受けた父親は体調を崩すなどしており、同署は「極めて悪質な差別事件」とみて強制捜査に踏み切った。
逮捕容疑は昨年9月上旬から10月上旬までの間、計6通の差別文書を生徒宅に送付して生徒の父親を脅し、同9月以降、久留米市教委に対策会議を開かせて本来の業務を妨害した疑い。捜査関係者によると、吉田容疑者は逮捕容疑を認めているという。
父親から相談を受けた部落解放同盟が市教委と同署に被害を申告。市教委はすでに対策会議を計17回開き、対応を検討している。
複数の関係者によると、送り付けられた文書には「いい加減(かげん)しょうてん(昇天)しなさい」などとワープロを使って書かれており、この高校に届いた封筒やはがきなどを再利用して郵送していたという。
学校関係者によると、吉田容疑者はこの高校に1995年に着任。昨年夏ごろ、この生徒の生活指導をめぐって、生徒の父親とトラブルになっていたという。家宅捜索された高校の校長は20日夜、「今は話すことはない。今後、教育委員会を通して対応する」と話した。
被差別部落を中傷する差別文書事件では、同県立花町(現八女市)の嘱託職員が2007年以降、被害者を装って差別的な内容のはがきを自分や町長あてに送り付け、町に対策会議を開かせたとする偽計業務妨害の罪で、昨年10月に一審で有罪判決が言い渡され、確定している。
市教委などは「立花町の事件が報道されていた時期と重なり、影響を受けてまねをした可能性もある」とみている。
■同和教育行政の形骸化
組坂繁之・部落解放同盟中央執行委員長の話 部落差別に限らず、あらゆる差別の根絶に向かうべき教育の現場での事件で、まさに驚きだ。本当に悲しいことで、断じて許せない。人権教育啓発推進法施行から今年で10年になるが、学校現場で法の趣旨が十分に浸透していない証拠で、同和教育行政の形骸(けいがい)化が表れている。
=2010/02/21付 西日本新聞朝刊=