宮崎公立大学の懲りない教授たち=繰り返されるセクハラ

宮崎公立大学の懲りない教授たち=繰り返されるセクハラ
2010年03月09日08時22分 / 提供:PJニュース

【PJニュース 2010年3月9日】3月7日、宮崎市の宮崎公立大(中別府温和学長)の女子学生が同大学の男性教授(50代)に性的嫌がらせ(セクシャルハラスメント)を受けたとして、大学側が教授に口頭で注意していたことが分かった。同大学でのセクハラは3人目である。いったい大学では何が起きているのだろうか。

1人目は2002(平成14)年1月。

宮崎市の宮崎公立大人文学部の当時70歳の男性教授が、ゼミの女子学生にいかがわしい内容の手紙を送るなどセクハラ行為をしていたことが学内の調査で判明した。それによると、01(平成13)年5月、この教授は卒業論文の指導の名目で、女子学生を宮崎市内の自宅に泊めた。また、この女子学生に対して、いかがわしい文言を含む手紙を数回送ったという。教授会は、この教授が定年退職する3月31日までの停職処分を決めた。

その後、この教授は懲戒処分の取り消しを求める訴訟を起こしたが、04年(平成16)年6月、宮崎地方裁判所は、この教授のセクハラ行為を認定し、請求を却下した。

2人目は、08(平成20)年3月。

当時49歳の男性教授は、女子学生にハートマーク付きのメールを送信したり、06(平成18)年3月に女子学生と調査旅行に出かけた際、バスの中で手にキスをしたりなどした。07(平成19)年10月、女子学生が、学内の相談員に訴えたことでセクハラが発覚した。

同大学はこの男性教授を停職3か月の懲戒処分にしたが、その後、思わぬ裁判に発展した。男性教授は、女子学生に対する一連の行為は適切ではなかったと行為自体は認めたものの、性的な感情から出たものではないとし、同大学を相手に処分取り消しや停職中の給与の支払いと慰謝料約440万円を求める訴訟を起こした。

08(平成20)年11月、宮崎地裁は女子学生から事情を聞き、今回の男性教授による行為をセクハラと認定した。翌12月、宮崎地裁の勧告を受けて、同大学と男性教授との間に和解が成立した。その内容とは、「教授は処分の取り消し、給与支払い、慰謝料の請求権を放棄する」「大学は教授に対する大学内でのゼミ担当を外すなどの制限を解除する」などとなっており、女子学生が同大学を卒業しても接見禁止措置は続くとしている。

当時の宮崎日日新聞の記事で、中別府学長は「裁判所から処分は正当と認められ、セクハラも認定された。実質的な勝訴和解である」と語っているが、大学側の勝訴とはおかしい話である。

昨年11月に行われた宮崎県男女共同参画センターの講座で、このセクハラ問題が取り上げられた。宮崎地裁は女子学生にも事情を聞いたが、裁判では大学と教授の間で進められてきた。このことに対して、講座の参加者からは「当事者である女子学生不在の裁判ではないか」「大学側が勝訴したことで、セクハラがなくなるとは思わない」「セクハラに対する根本的な解決にはならないのではないか」などと、厳しい意見が出された。

先に紹介した宮崎日日新聞の記事で、中別府学長は「今後も大学全体でハラスメント再発防止に厳正に取り組む」とも語っているが、3度目が起きてしまったのはなぜだろうか。

3人目は、09(平成21)年7月。

今回被害を受けた女子学生は、ほかの学生と一緒に教授からメールアドレスを聞かれて教えたのがきっかけとなった。それから「毎日顔を見せてほしい」などとメールが来るようになった。また、何度も「弁当を作ってほしい」と話し掛けたり、研究室に2人きりの状態で電気を消し、手や太ももを押さえられたりしたとのことである。

女子学生は昨年10月、学内の相談員に被害を訴え、相談員会が学長に報告した際、「処分は望まないが先生に注意して防止対策をとってほしい」という学生の要望を伝えた。学長は、この男性教授に口頭で厳重注意したという。

しかし、女子学生はその後「教授が十分に反省しておらず、防止対策も不十分」と調査会設置を求めたが、大学は「学生は当初、行為の停止を求め、外部への公表を望まなかった」として、理事長の判断で調査会を開かなかった。

宮崎公立大学の理事長は、06(平成18)年10月まで、宮崎市教育委員会の教育長を務めた内藤泰夫氏である。県内6中学校で教鞭をとり、その後、宮崎県北郷町立北郷中学校長、県教育委員会総務課教育調整監などを歴任し、07(平成19)年4月から現職である。

宮崎県の教育を知るバリバリの教育者でありながら、自分の大学の問題となると毅然とした態度をとることなく、及び腰になってしまうのはなぜだろうか。男性教授は反省しているとのことだが、別の女子学生1人が、この男性教授からセクハラを受けたという申し出があるという。

さて、どうする? 宮崎公立大学。

このまま「セクハラ大学」の名をいただくことにするのか、大学が被害者の側に立ち徹底的に調査し、セクハラ大学の汚名を返上するのか。【了】

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