教員免許めぐり元講師が逆転勝訴 反論の機会与えず違法

教員免許めぐり元講師が逆転勝訴 反論の機会与えず違法

 教員免許取り上げの手続きは違法だとして、私立独協埼玉高校(埼玉県越谷市)の非常勤講師だった男性が県に取り消しを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は10日、「反論の機会を与えなかった」として請求を棄却した一審さいたま地裁判決を取り消し、元講師側の逆転勝訴を言い渡した。

 大橋寛明裁判長は、県教育委員会が処分に先立つ聴聞の後、新たに学校側へ問い合わせて収集した情報を考慮して結論を出した点について「処分に影響を与える内容は本人に開示して聴聞を再開し、反論の機会を与えるべきで、手続きで違法があった」とした。

 判決によると、元講師が学校内で盗撮していたことが2008年2月に発覚。学校側は県教委に「解雇した」と報告したが、元講師側が同9月の聴聞の際に「校長から『内々で処理するので自主退職してほしい』と言われた」とし、解雇ではないと反論。

 あらためて学校に問い合わせた県教委は「懲戒免職の規定がなく解雇できないが、解雇に当たる」との回答を受け、聴聞を再開しないまま同11月に免許を取り上げた。

2010/06/10 20:56 【共同通信】

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以下、当時の記事

授業中スカート内盗撮…独協埼玉高の元非常勤講師を書類送検
2008.05.04 産経新聞

授業中に教え子の女子高生のスカート内をビデオで盗撮したとして、埼玉県警越谷署は3日までに県迷惑行為防止条例違反の疑いで私立独協埼玉高校(埼玉県越谷市)の元非常勤講師の男(36)を書類送検した。
調べでは元講師は2月14日、自分が担当するパソコン関連の情報科の授業中に女子生徒のスカート内を盗撮した疑い。生徒が自身の作品を発表する際に使用する高さ20センチほどの踏み台に、小型カメラを上向きにして設置。スカート内部を教壇近くの教師用パソコンで“生中継”していた。発表用パソコンの映りが悪かったため、生徒が教師用パソコンをのぞいたところ、自分が映っていることに気付き、放課後に別の教員に相談。教室内を調べると盗撮テープ3本や機材などが見つかり、事件が発覚した。
元講師は同校の調査に対し、1月中旬から盗撮を繰り返していたことを告白。バレンタインデーにバレたのはたまたまだという。発覚翌日に解雇され、学校側が3月に生徒や保護者に謝罪。生徒が被害届を提出し、4月下旬に書類送検された。元講師は独身で昨年4月の採用。パソコン好きの生徒らから慕われていた。調べに対し「のぞいてみたかった」と供述。カメラは「クギの頭ぐらいのレンズ。木ねじのような形」(同校)で、東京・秋葉原で購入したと話している。

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