弘前市立中職員着服:着服額は966万円 県教委、事務職員を懲戒免職 /青森
2010年8月7日11時34分配信 毎日新聞
弘前市立第五中学校で女性事務職員(47)が学校徴収金を着服していた問題で、県教委は6日、職員が同中を含む2校で計1940万6995円を口座から引き出し、うち966万7820円を着服していたと発表した。県教委は職員を同日付で懲戒免職とし、市町村教委に学校徴収金の一斉点検を依頼した。
県教委によると、職員は07年6月〜08年3月、勤務先の市立第五中で、保護者から集めた学校徴収金約414万円を銀行口座(親通帳)から引き出すなどして着服した。年度末、親通帳から各会計に振り分ける金額が不足したため、修学旅行費用を預けていた別口座から約430万円を引き出して入金、穴埋めした。その後、09年11月までに同口座から計約510万円を着服した。
職員は今年4月、市立東中学校に異動。同校の部活動特別会計の口座などから計約561万円を引き出し、五中の修学旅行口座を穴埋めし、残りを着服した。着服金約966万円は、インターネットショッピングの借金や住宅ローンの返済に充てていたという。着服金は職員の母親が全額返済したが、両校は刑事告訴を視野に対応を検討している。
今年6月にはしたり、今月3日にはなど、不祥事が相次いでいる。会見した県教委の白石司教育次長は「教職員全体に対する社会の信用を損ない、教育に対する県民の不信を招いた」と陳謝した。
今回の着服は、印鑑などを管理する職員が1人で、定期的な監査も行われていなかったことで発生した。県教委は「監査をやっていれば防げた可能性もある」とし、監督責任で両校の校長や教頭などを減給10分の1(1カ月)や戒告などの処分にした。【矢澤秀範】
8月7日朝刊