熱狂的虎党教師が学級費、教材費などでお宝チケットゲット
スポーツ報知 2010年10月17日(日)8時0分配信
大阪・守口市の私立大阪電気通信大学高校の元男性教諭が、在職中の2006年10月までの約2年半に、学校に無断で生徒から計126万円を集金し、プロ野球の阪神戦観戦など、私的に使っていたことが16日、学校への取材で分かった。30代の元教諭は2004年4月から学校に無断で生徒から教材費やアルバム代などの名目で現金を徴収していた。元教諭は母親が給料を管理しており「自由に使える金がほしかった」と説明しているという。
度を過ぎたタイガース愛が、不祥事を引き起こした。大阪電気通信大学高校によると、この元教諭は同校の関係者なら知らない人がいないというほどの熱狂的な阪神ファン。休日を利用してキャンプ地に足を運んでいたほか、職員室の机の上には、当時大活躍していた赤星憲広選手のパネル写真を飾っていた。また、デスクマットの下にも多数のタイガース関連の写真などを収めていたという。
元教諭の不正徴収が最初に発覚したのは07年春。同年4月に顧問を務めていたサッカー部の生徒から「部費」名目で集められた現金の会計上の不具合を同僚が発見。学校側が説明を求めたが着服を認めず「盗まれた」などと言い逃れをして自主退職していた。
その後、元教諭の退職を知った卒業生が「学級費が精算されていない」「教材費を払ったけど、教材をもらっていない」などと指摘。そこで学校が調査に本腰を入れたところ、生徒約100人から「教材費」や「アルバム代」などの名目で現金を集めていたのに、実際には教材などの提供を行っていなかった事実が次々と明らかになった。
学校側は、保護者に説明する材料とするために元教諭に謝罪文を書かせたところ「熱烈な阪神ファンで、観戦に行くためにプレミアのチケットを手に入れようと思った」と不正徴収に手を染めた動機を記したという。
さらに、元教諭は給料を母親に管理されていることも学校側に明かし、母親から手渡された小遣いだけでは、甲子園球場のチケット代をまかなえなかったのか「自由に使える金がもっと欲しかった」と説明した。
元教諭は07年11月までに全額を返済。また、不登校の生徒に熱意を持って接するなど、その指導力は一定の評価を受けていた。保護者の意向もあって学校側は刑事告訴を見送ったものの、クライマックスシリーズでGT戦が盛り上がる最中に虎党の“暴走”が発覚してしまった。