琉大データ流用 学長共著も二次使用
琉球新報 2011年1月7日(金)9時50分配信
琉球大学医学研究科でデータ流用が指摘され問題となった論文38編のうち、調査委員会(委員長=佐藤良也医学研究科長)がデータが初出だとして岩政輝男・琉大学長が共著者だった1編は、不正論文ではなかったなどと発表していた件で、当該データは初出でなかったことが6日までに複数の研究者の指摘で分かった。本紙が入手した論文を基に、複数の研究者に確認した。本紙の指摘に対し佐藤調査委員長は同日までに回答を拒否した。論文を不正なしとした調査委の根拠が揺らいでいる。
データが初出でないと指摘されたのは、岩政学長が共著者の1人で米学術誌「BBRC」に2007年9月に投稿された学位論文。
複数の研究者によると、同じデータが米学術誌「Infection and Immunity」(IAI)に07年5月に投稿された、岩政学長が共著になっていない論文に掲載されていた。
本来実験ごとに測定しなければならない、遺伝子の発現(働き)を確認するための実験結果の基準値となる「β―アクチン」の画像がBBRCのものと一致していた。
IAIのものが全体に白くなっているのは、見やすいよう画像加工をした可能性が高い。
岩政学長はこれまで共著論文の問題点について「今回の件は医学部で調査中」と発言していた。
本紙は2010年12月13日に質問状を送付したが、調査委は「答えません」と回答しなかった。
同問題は米学術誌の指摘を受け10年3月に発覚。
同4月に医学研究科が調査委員会を立ち上げ、調査を進めていた。
同8月に大学院生を指導した男性教授が懲戒解雇処分になったほか、同12月には学生4人の学位が1月中に取り消される見込みだと調査委が発表した。
(知念征尚)