柳ヶ浦高バス横転事故、部員遺族と元教諭ら和解
2011年3月30日 読売新聞
大分県日出(ひじ)町で2009年7月に起きた私立柳ヶ浦高(大分県宇佐市)野球部のバス横転事故で、死亡した吉川将聖さん(当時16歳、奈良県出身)の母歌織さん(39)が、同校を運営する学校法人吉用(よしもち)学園と、運転していた元教諭(27)を相手取り、約1億3000万円の損害賠償などを求めた訴訟の和解協議が29日、大阪地裁堺支部で行われた。法人と元教諭が連帯して和解金を支払うことで和解が成立した。
訴状などによると、元教諭は同年7月11日、部員46人を乗せたバスを運転し、大分自動車道日出ジャンクション付近の制限時速40キロのカーブを時速80〜90キロで走行。ハンドル操作を誤り、バスを横転させ、38人を死傷させた。バスには運転席以外もシートベルトの設置義務があるのに、設置されていなかった、としている。
元教諭は自動車運転過失致死傷罪に問われ、福岡高裁で禁錮2年6月の実刑判決が確定し拘置中。
原告側の弁護士は、和解の理由として、被告側から「納得できる額」が提示されたことや、同校の高橋和治校長が直接謝罪したことを挙げた。額は非公表としている。高橋校長は「吉川君が亡くなったことは非常に残念で、心から哀悼の意を表します。生徒のバス輸送の安全確保に当たり、全職員の交通安全意識の高揚と、その指導の徹底を図っていきます」とコメントした。