<北九州君が代訴訟>教職員側敗訴の2審判決が確定
毎日新聞 2011年7月14日(木)19時56分配信
入学式などで君が代斉唱時に起立しなかったとして、懲戒処分を受けた北九州市の小中学校の教職員らが市教委などを相手に処分取り消しなどを求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は14日、起立斉唱命令を合憲と判断し、教職員側の上告を棄却する判決を言い渡した。教職員側の敗訴とした2審判決が確定した。全国の学校現場で起きた一連の君が代不起立問題で初めて提訴された訴訟だった。
訴えていたのは、現役と元教職員計17人と労働組合「北九州がっこうユニオン・うい」。小法廷は5月以降の一連の最高裁判決と同様、起立斉唱命令が思想と良心の自由に対する「間接的制約となる面がある」としつつ、職務の公共性などから合憲と結論づけた。弁護士出身の宮川光治裁判官が「合憲性の判断はより厳しい基準でされるべきだ」との反対意見を述べた。
判決後の会見で「うい」の竹森真紀書記長は「教委は、反対意見の裁判官が出たことを重く受け止めてほしい」と話した。
1審判決(05年)は起立斉唱命令を合憲としながら、3人に対する減給処分は重すぎるとして処分を取り消したが、2審の福岡高裁判決(08年)は「儀式的行事の雰囲気を乱し、処分は相当」として1審を取り消した。
【伊藤一郎】