トラブル続きの創造学園大 運営説明なく…不安募る保護者 群馬
産経新聞 2011年9月3日(土)7時56分配信
職員への給与遅配や大学設置認可申請時の虚偽記載など、創造学園大を運営する学校法人「堀越学園」(高崎市)の放漫運営が続いている。7月には元理事長に対する横領の疑いで学校施設で県警の捜索が行われた。学生や保護者は、学園側に運営状況の説明を求めているが、応じる気配はなく不安は広がるばかりだ。
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◆発端は負債額改竄
最初のトラブルは平成21年に表面化。教職員への給与遅配を問題視した文部科学省が立ち入り調査を実施し、負債額を少なく改竄(かいざん)して大学の設置認可を受けていたことが判明した。
こうした問題点を踏まえ、文科省は昨年10月、新たな学部新設などの認可申請を23年度から5年間認めない決定を下したが、改竄書類作成時の関係者はすでに大半が他界し、経緯は現在でも不明だ。
ただ、改竄が新たな問題を生じさせた。同大や系列の専門学校は本来、国などの補助金や県の助成が受けられるが、改竄が原因でいずれも交付が取り消され、経営悪化に拍車をかけたのだ。
◆県警が強制捜査
さらに、今年1月まで理事長を務めた男性(63)の運営手法も正常化への足かせになっていた。男性は8月になって、学長と法人理事を退任したが、1カ月が経過した現在でも新学長を決める理事会は開催されていない。ある学園関係者は「職員が次々と辞め、財務事務を専門にこなす職員がいない。ほとんど(元理事長の)男性の独断で運営が進められていた」と証言する。
こうした中、7月には県警によると、男性が学校内で展示する目的で知人から預かった骨董(こっとう)品を無断で売却した疑いがある。とみられる。男性は強制捜査を受け、大学のホームページに釈明文を掲載。男性は、知人とのトラブルから「すべて片づけた」と売却を示唆した。
ただ、男性は学生に対して直接、説明することなく、学園側も保護者らの説明要求に応じていない。「学校の体をなしていない。なぜ、こういう事態に至ったのか。きちんと向き合ってほしい」。子供を同大に通わせた保護者の一人は切実に訴えている。