通知表ミス、さらに20校320人、ずさんな作成常態化/小田原

通知表ミス、さらに20校320人、ずさんな作成常態化/小田原
カナロコ 2011年11月9日(水)22時45分配信

 小中学校の通知表記入ミス問題で小田原市教育委員会は9日、新たに20校で計320人の児童・生徒に同様の事案があったと発表した。市教委が前期分について再度の総点検を求めていた。多くの学校でさらにミスが起きていたことが判明、通知表作成のずさんな実態が浮かび上がった。

 総点検は10月24日に開いた校長会との連絡調整会議の席上、前田輝男教育長が指示した。その結果、期日の今月8日までに小学校25校のうち17校、中学校11校のうち3校でミスが報告された。

 詳細は、小学校で97件263人、中学校で7件46人に及んだ。特別支援学級でも6件11人あった。

 大半が出欠席日数の記載誤り。泉中は3年生39人が違っていた。千代中の1年で同じ名字の生徒で国語評定を取り違えた。矢作小は6年13人の所見欄の文末が切れていた。

 原因は担任らによる通知表作成用パソコンの入力の誤りやその後の確認ミス。関与した教職員は小学校で92人、中学校で7人だった。

 ミス続発の原因について、前田教育長は「通知表は公文書扱いではない。家庭へのお知らせという甘い意識があるのではないか」との見方を示した。

 通知表ミスについては、市教委が10月14日と20日に公表。この時点で昨年度の前期と後期、本年度の前期で合わせて10校179人の児童、生徒で確認していた。

 今回の公表分を含め、これまでに小学校18校、中学校5校でミスが発覚。単純計算で小学校で7割、中学校で4割の発生率になる。「ミスは常態化」との外部の指摘を裏付ける結果になった。

 市教委は21日、再発防止などを検討する通知表事故調査委員会を設置する。

 今回公表された該当校と児童・生徒数は次の通り。

 【小学校】新玉6人、足柄5人、芦子9人、大窪18人、早川8人、富水1人、下府中41人、桜井2人、下曽我4人、国府津15人、酒匂42人、曽我3人、矢作27人、報徳13人、豊川20人、前羽12人、下中37人

 【中学校】千代2人、泉43人、城北1人

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