ねつ造かミスか…また恥をさらした韓国の幹細胞研究
中央日報日本語版 2012年5月30日(水)10時50分配信
韓国幹細胞学会29日、ソウル大学獣医学部のカン・スギョン教授の幹細胞関連論文に科学的な誤りがあり、故意によるものであることが明らかになれば会員から除名することにしたと明らかにした。学会はソ・ヘヨン会長名義の声明を通じ、「カン教授の写真重複掲載など誤りに対する故意性の可否はソウル大学研究真実性委員会の調査結果に従う」と明らかにした。ソウル大学は30日に研究真実性調査委員会を構成し調査を始める予定だ。ソウル大学のイ・ジュンシク研究処長は「結果が出るには2カ月以上かかるだろう」と話した。
カン教授は病気と関連した生理現象を扱う米国学術誌「坑酸化および酸化還元信号伝達(ARS)」に発表した4編の論文を9日に撤回した。ARS事務局が写真重複掲載などを指摘した手紙を匿名の情報提供者から伝えられ、掲載撤回を求めたためだ。この過程でカン教授の論文ねつ造疑惑も起き議論が起きている。
情報提供者は、カン教授が責任著者として2006年から最近までさまざまな学術誌に発表した論文14編を対象に、写真の重複掲載、一部非正常なデータなどを分析し70枚のスライドにまとめそれぞれの学術誌担当者に送った。カン教授は同僚教授を通じ「科学的な誤りは単純ミスであり故意性はなく、釈明書を関連学会に送った」と話した。
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ねつ造疑惑のソウル大学教授、2年前にも論文をねつ造か=韓国
サーチナ 2012年5月31日(木)12時56分配信
論文のねつ造疑惑が持たれている韓国ソウル大学のカン・スギョン獣医学教授が、2年前にも論文ねつ造問題で大学内で警告を受けていたことが明らかになった。複数の韓国メディアが報じた。
2010年に同教授が学術誌「International Jounal of Cancer」に投稿した論文に、今回と同様に研究写真の重複が見られ、説明を求められたが、同教授が回答しなかったため、ソウル大学に連絡あり、調査を行ったところ問題が発覚したという。ソウル大学は、学内警告処分にとどまり、その理由については論文が審査を通らなかったためと説明している。
2年前も同様な「ミス」が見られたことから、「単純なミスで意図したものではない」という同教授の主張は信ぴょう性がなくなりつつある。韓国メディアは「意図的な研究不正が行われた可能性も排除できない」とし、同教授が発表した論文に幹細胞分野の有名な学者らも多数共著者として名を挙げていることなどから、さらなる波紋が予想されるとの見方を示した。
一方、同教授の論文で、研究写真が重複使用された問題を発見したのは、2005年黄禹錫元ソウル大学教授の論文ねつ造を指摘した生物学研究情報センター(BRIC)であることも明らかになった。
韓国では、幹細胞研究に国をあげて力を入れていることから、同国名門のソウル大学教授による度重なる論文ねつ造問題で幹細胞研究分野における打撃を懸念する声が高まっている。(編集担当:金志秀)