大津市 いじめ自殺 7月6日分

いじめた側にも人権…「自殺練習」真偽確認せず
読売新聞 7月6日(金)7時55分配信

 大津市の市立中学2年男子生徒が自殺したことを巡って行われた全校アンケートで「(男子生徒が)自殺の練習をさせられていた」との回答を市教委が公表しなかった問題で、市教委が加害者とされる同級生らに対して直接、真偽を確認していなかったことがわかった。

 市教委はこれまで、非公表にした理由を「事実を確認できなかったため」と説明していた。

 市教委によると、「自殺の練習」は、生徒16人が回答に記していた。うち実名で回答した4人には聞き取りをしたが、事実は確認できず、それ以上の調査もしなかったという。加害者とされる同級生らにも聞き取りを行う機会はあったが、「練習」については一切尋ねなかったとしている。

 その理由について、市教委は読売新聞に対し、「事実確認は可能な範囲でしたつもりだが、いじめた側にも人権があり、教育的配慮が必要と考えた。『自殺の練習』を問いただせば、当事者の生徒や保護者に『いじめを疑っているのか』と不信感を抱かれるかもしれない、との判断もあった」と説明。結局、事実がつかめなかったとして、非公表にしたという。

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「先生、見て見ぬふり」 大津中2自殺・調査で生徒14人指摘
京都新聞 7月6日(金)9時29分配信

 大津市で昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=がマンションから飛び降り自殺した問題で、学校が全校生徒に実施したアンケートに14人の生徒が「先生も見て見ぬふり」などと答え、教員がいじめを見逃していたと指摘していたことが5日、関係者への取材で分かった。
 関係者によると、回答では「先生にも泣きながら電話で言ったそうですが、あまり対応してくれなかった」「先生に相談したのに解決してもらえなかった」と記入されていた。
 ほかにも「一度先生は注意したけれど、その後は一緒に笑っていた」「先生も見て見ぬふりをしていたと聞いた」という回答もあった。回答は全てが伝聞だが、教員らが男子生徒へのいじめを知りながら適切な対応を取らず放置していた可能性がある。
 アンケートは男子生徒の自殺後、学校が全校生徒を対象に実施。
「自殺の練習をさせられていた」など複数の回答について市教委は「事実として確証が得られなかった」として公表していなかった。

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飛び蹴り、口に粘着テープ…自殺1カ月前に暴行エスカレート 大津市いじめ問題
産経新聞 7月6日(金)10時55分配信

 大津市で昨年10月、市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題で、死亡した男子生徒は当初、いじめていたとされる同級生らと仲良しで、激しい暴行は夏休み後に集中していることが5日、関係者への取材でわかった。男子生徒は自殺直前の約1カ月間に友人関係が急激に悪化する中、ストレスが極度に高まり、自殺に追い込まれた疑いがある。

 学校が実施した生徒へのアンケートなどによると、男子生徒は7月ごろから同級生と行動を共にする姿が目撃されている。夏休みに入ると、同級生宅に外泊したり、一緒にゲームをしたりすることもあった。

 しかし、同時期に貯金を数万円単位で下ろし始め、9月末までに12万円以上を引き出していたことが発覚。男子生徒の親族は友人宅に連絡を取り、宿泊させないよう頼んでいたという。

 アンケートでは、無記名だったものの、暴行現場を直接目撃したという生徒は「2学期が始まってすぐ、廊下で思い切り肺、おなか、顔を殴ったり、跳び蹴りしていた。一方的だった」と記述。このほか、「トイレで殴り合いがあった」(記名、伝聞)という指摘もあるなど、この頃から急激に暴行が本格化し、周囲も異常さを感じるようになった。

 9月下旬には教科書が破られたり、口に粘着テープを張られて羽交い締めにされて殴られたりするなど、いじめは急激にエスカレートしていたという。

 中学側は自殺といじめの因果関係は不明とし、「学校の教諭らは、男子生徒や同級生が仲良しグループだと思っていた。だから、微妙な人間関係の変化に気づけなかった」としている。

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中2自殺、文科省が調査へ…アンケート内容精査
読売新聞 7月6日(金)12時35分配信

 大津市の中学2年男子生徒の自殺問題を受け、文部科学省は、事実関係や市教委の対応が適切だったかどうか調査する方針を決めた。

 生徒らが回答したアンケートの写しを提出させて内容を精査するという。

 文科省の高井美穂副大臣は5日の記者会見で「事実関係をしっかり確認したい」と語った。いじめと自殺の因果関係などを調べるかどうかについては「学校に主体的に決めてもらうことが基本。市教委と協力して現場で対応してほしい」と述べるにとどめた。

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中2自殺、先生の「見て見ぬふり」 なぜこんなことが起きてしまうのか
J-CASTニュース 7月6日(金)19時22分配信

 滋賀県大津市の中学2年生の男子生徒が自殺したことをめぐって、教師が男子生徒へのイジメを認識していながら、適切な対応をとっていない可能性があったことが明らかになった。

 男子生徒が「自殺の練習をさせられていた」と記されていた全校アンケートでは、14人の生徒が「先生が見て見ぬふりをしていた」「先生は、一度は注意したけれど、その後は一緒になって笑っていた」などと証言していた。

■「先生もイジメのことを知っていたけど、怖くて言えなかったらしい」

 全校アンケートでわかった教師がイジメを放置したことを示す回答は、記名が8人、無記名6人で、直接見聞きした内容が1人、伝聞が13人だった。

 そこには「男子生徒が先生にも泣きながら電話でイジメを訴えたが、あまり対応してくれなかったらしい」との指摘や、「先生もイジメのことを知っていたけど、怖くて言えなかったらしい」などの記述もみられた、とされる。

 いずれにしても、教師がイジメを看過したとも受け取れる「証言」だ。

 2012年7月6日放送のフジテレビの情報番組「とくダネ」で、教育評論家の尾木直樹氏は、「生徒からこれだけ報告が出てくるケースは珍しい。なのに、先生方の感覚がマヒしちゃっていた」「(笑っていることなど)感性が教師のレベルに達していない」と、呆れぎみにコメントした。

■「無記名だったので、事実確認ができていません」

 一方、大津市教育委員会は「一緒に笑っていた」ことについて、「加害者の生徒と亡くなられた生徒は、もともとは仲が良かったそうで、その雰囲気の中で笑いあっていたことがあったからではないか、と聞いています」と釈明。看過したわけでもない、とした。

 また、「先生がイジメのことを怖くて言えなかった」ことについては、「(アンケートが)無記名だったので、事実確認ができていません」と話した。

 とはいえ、教育現場にいる教師が「怖い」存在とは何かと、聞いたところ、教育委員会や学校長がプレッシャーをかけるようなことはないと、否定。「校長からは意見交換などに不備があったような報告は受けていません」としている。

 半面、教師が保護者からのクレームを怖がっているケースは、大津市に限らず目立って多くなっている。教師が保護者の「目」を強く意識していることはあるようだ。

 そのために、たとえば校外学習の引率の教師や、部活動の顧問を引き受ける教師がいなくなるなど、できるだけ波風を起こさないよう、事務的授業をこなしていく「事なかれ主義」の教師は少なくないようなのだ。

 イジメと自殺との因果関係を認めてしまっては、教育委員会から学校長、担任までが議会やメディアなどから厳しく追及される。教師にとってそれは避けたいというわけだ。

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「いじめた生徒にも人権がある」? ネットでは大津市教委に非難沸騰
J-CASTニュース 7月6日(金)19時52分配信

 滋賀県大津市の市立中学校で、飛び降り自殺した男子生徒(当時13歳)が、いじめた生徒から「自殺の練習」を強いられていたとされる問題で、「人権的配慮」から市の教育委員会はいじめた生徒に練習の事実について聴取しなかったというニュースが流れ、ネットでは市の教育委員会の対応に対し非難が沸騰している。

 ネットの掲示板やブログには「いじめをする側に人権などない!」「人権に縛られ事実に目をつぶれば第二第三の事件が起きるだろ!」などといった書き込みがたくさん出ている。

■加害生徒に「いじめの練習」をしたのか、なぜ確認しなかったのか

 この事件は2011年10月に自宅マンションから飛び降り自殺した生徒が同級生からいじめをうけていたことが発覚した。教育委員会は全校生徒にアンケートを実施すると、回答した約320人のうち16人が「何回も自殺の練習をさせられていた」などと書いているのが分かった。

 市の教育委員会は、いじめが自殺の原因になったかどうかは不明であり、「自殺の練習」が行われた事実はつかんでいない、と説明している。

 「自殺の練習」が行われたかどうかについて、12年7月6日付けの読売新聞は、教育委員会のコメントを掲載した。なぜ、いじめ行為をした生徒に「自殺の練習」をしたのかを確認しなかったのかとの質問に、

  「いじめた側にも人権があり、教育的配慮が必要と考えた。『自殺の練習』を問いただせば、当事者の生徒や保護者に『いじめを疑っているのか』と不信感を抱かれるかもしれない、との判断もあった」

と返答があったとの記事を書いたところ、ネットでは教育委員会に対する批判が沸騰することになった。

■「イジメた生徒には人権などない」と過激な意見も

 批判は、なぜ人が死んだ経緯を知るのに人権を持ち出すのか、重大事件を隠すために人権を使うつもりなのか、といった疑問が多い。

  「人権がある奴は調査できないんだ。すげえな人権w」
  「死んだ子の尊厳はどうなる?親の無念は?それらを無視して人権を語るな」
  「一方的に他人の人権(命)を奪った奴が人権に守られるって、おかしな話だなあ…」
  「苛める側にも人権…・・?苛めるをしてる人間なんざに人権なんざあるワケねーだろ!!!! ふざけるな!!!! ふ

といった内容だ。

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必要なら文科省も調査=大津・中2男子自殺で―平野氏
時事通信 7月6日(金)21時27分配信

 【クアラルンプール時事】平野博文文部科学相は6日、昨年10月に大津市立中学校2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺した問題に関して、「事実関係を踏まえて(市教育委員会を)指導したい。より不明なことが分かるなら、文科省としても調べたい」と述べ、必要があれば調査に乗り出す考えを示した。出張先のマレーシアのホテルで記者団に語った。
 同問題をめぐっては、学校が全校生徒にアンケート調査を実施。複数の生徒が「(男子生徒は)自殺の練習をさせられていた」と回答したが、市教委などはその事実を公表せず、回答した生徒に対する十分な聞き取り調査も行っていなかった。

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大津中2自殺 いじめ 外部委で再調査 市長表明 不十分さ認める
京都新聞 7月6日(金)23時19分配信

 大津市のマンションで昨年10月、中学2年の男子生徒=当時(13)=が飛び降り自殺したことを受けて実施された全校生徒への調査をめぐり、大津市は6日、有識者による外部調査委員会を立ち上げて再調査する、と発表した。市教育委員会の調査が不十分だったことを事実上、認めた。
 越直美市長が定例記者会見で明らかにした。調査に記名で回答した生徒に対して聞き取りできていない事実があり、十分に分かっていないこともあるとして「もっとやれることがある」と指摘。「就任後、もっと早くに対応すべきだった」と悔やんだ。
 いじめと自殺の因果関係は、再調査の結果を踏まえて判断するとし、今後明らかになる事実によっては、これまで訴訟で示した答弁書の内容が変わる可能性も示唆した。
 調査委員は大学教授や臨床心理士、弁護士などを想定。新たな調査結果は公表し、これまでの調査結果の公表や、市教委の体質についても検討する方針。
 越市長は「最初に十分な調査、公表をしていればこのような事態にならなかった」と振り返り、「訴訟の場で真実が明らかにできると考えていた。弁護士だったのでそういう考えにとらわれていた」などと説明した。
 遺族には「会いたいと思っていたが、行動もせず大変申し訳ない。何らかの形でお会いしたい」とし、中学校の生徒らにも再び混乱を招いたことを謝罪した。
 男子生徒の両親は自殺はいじめが原因として、市や同級生らに計約7700万円の損害賠償を求め大津地裁に提訴した。市側は「いじめが自殺の原因とは断定できない」と主張し、市の過失責任や因果関係については争う姿勢を見せている。

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