<殺人容疑>知人自殺偽装、元准教授を再逮捕 愛知県警
毎日新聞 2014年4月7日(月)22時35分配信
知人の会社経営の男性に硫化水素ガスを吸わせ、自殺に見せかけて殺害したとして、愛知県警捜査1課は7日、中京学院大(岐阜県中津川市)の元准教授、久野輝夫被告(54)=詐欺未遂罪などで起訴=を殺人容疑で再逮捕した。男性は、自分が殺されることを伝える書き置きを残していたといい、県警は、久野容疑者が生命保険金目当てに男性を殺害したとみて、事件の全容解明を進める。【三上剛輝、大野友嘉子】
逮捕容疑は2012年1月30日未明、愛知県豊橋市神野新田町に止めたレンタカーの車内で硫化水素ガスを発生させ、運転席にいた同市の会社役員、小原洋典さん(当時40歳)を殺害したとしている。久野容疑者は「事実は全く違います」と容疑を否認している。
県警によると、小原さんが死亡した当日朝、家族が「釣りに行ったまま帰ってこない」と行方不明届を豊橋署に提出。その後、小原さんの自宅から「硫化水素自殺に見せかけた他殺。この件に久野容疑者が絡んでいる」という趣旨のメモが見つかった。
県警は、久野容疑者が小原さんに命じてレンタカーを借りさせ、薬剤などは自分で用意し、車内に運び込んで硫化水素を発生させたとみて追及する。
久野容疑者は、経営する語学学校の運営が行き詰まり、数千万円の借金を抱えていたといい、小原さんの死後、遺族に対して「金を貸していた。生命保険から払ってほしい」と要求していた。
同年8月には、小原さんの相続財産管理人の弁護士に偽造した借用書を送りつけ、約2500万円をだまし取ろうとしたとして、県警は3月、久野容疑者を詐欺未遂容疑で逮捕。名古屋地検が起訴した。
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<愛知県警>死亡男性の金詐取未遂 容疑で元准教授逮捕
毎日新聞 2014年3月29日(土)3時0分配信
死亡した知人男性の借用書を偽造し、現金約2500万円をだまし取ろうとしたとして、中京学院大(岐阜県)の元准教授、久野輝夫被告(54)=逮捕監禁致傷罪などで公判中、名古屋市天白区=が愛知県警に詐欺未遂容疑で逮捕されていたことが分かった。男性は硫化水素を使って自殺したと見られていたが、状況に不審な点があったといい、県警捜査1課は、久野被告が男性の死に関与した可能性が高いと見て、殺人容疑での立件を視野に詰めの捜査を続けている。
久野被告は28日、詐欺未遂の罪で名古屋地検が起訴した。起訴状によると、久野被告は2012年8月14日、死亡した知人男性の相続財産管理人の弁護士に対し、パソコンで偽造した約2500万円の借用書を送付し、現金をだまし取ろうとしたとしている。弁護士は借金の証明を求め、支払いを拒否したという。
捜査関係者によると、男性は12年初め、愛知県豊橋市に止めた車内で死亡しているのが見つかった。車内には硫化水素を発生させた形跡があった。捜査1課の調べに対し、久野被告は「自殺を手伝った」とも取れる趣旨の話をしている。また、逮捕監禁致傷の裁判では、被害者の男性が「久野被告から男性を殺したと聞いた」と証言している。
同11〜12月には、いずれの罪でも起訴され、現在公判が開かれている。【岡大介、三上剛輝】
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