「子供預けるの怖い」=中3自殺で保護者ら―広島
時事通信 2016年3月9日(水)0時30分配信
誤った非行歴のため志望校への推薦を出してもらえなかった広島県府中町立中学3年の男子生徒(15)が自殺した問題を受け、中学校で8日夜、臨時保護者会が開かれた。
出席した保護者からは「子供を預けるのが怖い」などと声が上がった。
保護者会は午後6時半から始まり、約450人が出席。厳しい質問が絶えず、予定終了時刻を2時間ほどオーバーし、午後10時ごろに終了した。
取材に応じた自営業男性(47)は、自殺した生徒と同じ陸上部に所属する中3の息子がいるといい、生徒について「頑張り屋で優しい子だったと聞いている」と話した。
男性によると、担任が体調不良を理由に保護者会を欠席したため、生徒の両親が「なぜ責任者が説明しないのか」と涙ぐみながら、抗議していたという。男性は学校側の説明について、「真摯(しんし)に話す気がないような印象を受けた。いらいらした」と憤った。
それぞれ中2の息子を持つ40代の母親2人は「(参加した保護者は)みんな子供を預けるのが怖いと感じていた」と不信感を募らせていた。
学校側によると、来週また保護者会を開く予定という。
<広島・中3自殺>サーバーに訂正済み生徒資料…知られず
毎日新聞 2016年3月9日(水)11時19分配信
広島県府中町立府中緑ケ丘中3年の男子生徒(当時15歳)が誤った万引き記録に基づく進路指導を受けた後に自殺した問題で、実際に万引きをした生徒の氏名に訂正した正式な生徒指導資料が、学校の共有サーバーに保存されていたことが9日、分かった。担任は進路指導の際、内部の会議用に一時的に作られたまま訂正されなかった資料を使用していたが、この資料は同じ3年生を担当する教諭から渡されていた。学校内の記録の共有や進路指導のやり方がマニュアル化されていないなど、ずさんな情報管理が連鎖したことが浮き彫りになった。
同校の坂元弘校長によると、2013年10月6日、「万引きをした生徒がおり、保護者に連絡してほしい」と被害店舗から連絡を受けた学校職員が、生徒指導部の担当教諭に万引きをした生徒の名字だけを口頭で伝えた。この教諭は生徒指導会議用に配布した資料に、自殺した男子生徒の氏名を誤って記載した。同8日の会議で氏名の誤りが指摘され、資料はその場では訂正されたが、学校の共有サーバーに保存されたデータは修正されなかった。
指導部の教諭は同月末、修正した記録を町教育委員会に提出。その後、正式な記録は別フォルダーに保存されて教諭が閲覧できる状態にあった。進路指導の参考にした資料も教諭の一人が学校のサーバー内から見つけ、他の5人に配ったという。
坂元校長によると、学校が推薦基準に非行歴の勘案対象を3年時だけでなく1、2年時も含めると改めたのは昨年11月で、過去の資料の閲覧などはマニュアル化されていなかった。坂元校長は「進路指導に関しては各教師の裁量に任せていた。何の指示もなく、マニュアルなども決めていなかったことは大変問題だと認識している」と話した。
また、担任の教諭は昨年11月16日から男子生徒が自殺した12月8日までの計5回、進路指導の面談の際に男子生徒に万引きの事実を確認したが「生徒の返事が曖昧で明確な否定もなく、確認がとれたと判断した」と釈明しているという。この面談はいずれも廊下で5〜10分程度だった。学校側は「生徒の非行歴を含む重要な進路指導が廊下で行われたことは非常に問題。来年度から準備室のような場での指導を教員に指示していく」としている。【石川将来、高橋咲子】
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男子生徒の両親は、代理人弁護士を通じて「ずさんなデータ管理、間違った進路指導がなければ、我が子が命を絶つことは決してなかったと親として断言できます」とのコメントを出した。【山田尚弘】