谷川議員、府教委に「臨時教員免許」口利きか 樟蔭東元理事が依頼
産経新聞 2013年4月5日(金)15時12分配信
学校法人「樟蔭東学園」(大阪府東大阪市)をめぐる不正融資事件に絡み、背任罪で起訴された小山昭夫元理事(81)が旧知の元大阪府副知事で元自民党参院幹事長の谷川秀善参院議員(79)に、教員免許を持たない看護師に臨時教員免許を発行するよう大阪府への口利きを依頼していたことが5日、分かった。谷川氏は学園側の依頼を受け、昨年2月、大阪市内の事務所に府教委職員を呼び出し事情を聴いていた。
府教委によると、学園は平成21年、樟蔭東高校に看護師養成学科「衛生看護科」を新設したが、看護師と教員両方の免許を持つ人材が不足し、看護師に臨時教員免許(有効3年間)を取得させて対応していた。その後生徒が増え、同校は臨時免許の追加発行を求めたが、府教委は「正規の教員免許を持つ看護師を増やすべきだ」と指導。同校は求人募集したが採用に至らず、教員が不足していた。
谷川氏は旧知の小山被告から相談を受け、府教委に連絡。府教委によると、担当課長ら職員2人が昨年2月20日、大阪市北区の谷川氏の事務所に出向いた。谷川氏は「樟蔭東の話を聞いている。どんな状況か」などと尋ね、課長らは「協議中です」と答えたという。
府教委は約2カ月後、3人分の臨時免許を発行した。理由について、府教委は「求人募集しても教員を確保できなかった事情を考慮した。谷川氏の圧力はなかった」。谷川氏は産経新聞の取材に「議員活動の一環で口利きではない」と話している。